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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆強くなりたい、彼を守るために
第二十一話 隣で生きたい
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もん。」

シリカの言い方に思わず笑ってしまいそうになるマルバだが、シリカの表情は至って真剣で冗談を言っているようには到底見えなかった。マルバの口の端に浮かんだ笑みが、膨らみかけのシャボン玉のようにしぼみ、消える。
「……なんで、僕が消えてしまいそうだなんて思うの?」
「マルバさん、前に言ってたじゃないですか。自分が生きた意味が欲しいんだ、って。あの時のマルバさん、なんていうか……すごく儚かったです。ノアザミの綿毛みたいな感じでした。そよ風が吹いたら飛んでっちゃいそうな、かろうじて私の目の前にいるみたいな感じでした。私は怖かったんです。マルバさんが『生きた意味』を見つけて、それで私の目の前から飛んでいっちゃうのが。」
「……そうか、だから君はあの時……」
その先の言葉はマルバが口にする前にシリカに伝わった。
「そうです。……ただでさえソロで攻略を続けるのは危ないのに、そのままずっと死んでもいいなんて気持ちで攻略を続けてたらほんとに死んじゃいますよ。わたしが強くなりたいって思ったのは、マルバさんを守りたかったからです。そばで戦いたかったんです。マルバさんの隣で生きたいって思ったからなんです!」

マルバはこんどこそ笑った。それはとても気持ちよさそうな笑い声だった。
「あはは、あははははは!いや、まさかね。そういうことなら、僕の方こそお願いしたい。……実は、僕も君と一緒に居たかったんだ。ここしばらく君と組んでみて、いままでこんなに楽しいことはなかったよ。僕なんかよりずっと強く生きる君のそばにいれば、僕も強くいられる気がした。……僕は、これからも君の隣で生きてみたい。そういうわけだから、これからもよろしくね、シリカ。」
「……よろしくおねがいします!」

二人はどちらからともなく笑い始め、その嬉しそうな笑い声はダンジョン全体にこだました。
幸運のバフは話し込んでいる間にすっかり解けてしまったが、この戦いは先のフィールドボス戦より楽勝に済んでしまったという。帰り道、マルバは慣れないパーティー戦に期待をふくらませたのであった。
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