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詩集「棘」
想いをずっと胸に秘めて

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夕闇の部屋…一人
煙草の光だけがちらつく…
過ぎた想いは身を焼いて
道標さえ朽ち果てる…

同情なんて錆に塗られたペンキ
直ぐに剥がれて醜悪を曝す…

牢獄のようなこの刹那(トキ)の中
希望を探し虚空を彷徨う…

想いをずっと胸に秘めて
掠れ逝く日々を眺めてる
初めからの過ち…
僕が世界に在ることが…


暮れゆく空…消える
月影に怯えて逃げる風…
溜め息は白く濁って
帰る道さえ分からない…

この世界はパフォーマンスを求めてる
良くも悪くも派手さを求めて…

淋しさと哀しみは降り積もる…
どこへ行けば安らげるのだろう…?

想いをずっと胸に秘めて
軋みゆく心 抱いてる…
通り過ぎ行く夢は夢
いつか消え逝くその時まで…


逃げ場のない恋心…
傷痕ばかりの想い…
片割れの翼では羽搏けない…
叶わぬ願いは紫煙に咽び
後には何も残らずに…

想いをずっと胸に秘めて
言葉は砕けて空を舞う…
苦しみに堪えかねて
流した涙は凍りつく…

想いをずっと胸に秘めて
掠れ逝く日々を眺めてる
セピア色した幻…
会えない君に…手を振った…




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