第四十二話 妹達の誤解その十七
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「絶対に怒ったら駄目よ」
「気をつけます」
「ええ、そうしたことを聞いてもね」
私は阿波野君に強く言いました。
「気をつけてね」
「そうですよね、そんなことで怒ってもきりがないですね」
「そうよ、確かに酷いお話多いけれど」
私もこのことは否定出来ません、家庭や職場、学校の問題は。
「ですが」
「それでも怒らずに聞いて」
「そう、最後までね」
「それが大事なんですね」
「そうよ、気をつけてね」
私は阿波野君の目をじっと見つつ言いました。
「いいわね」
「気をつけていきます」
「絶対にね、後ね」
私は阿波野君にさらに言いました、今度言ったことはといいますと。
「阿波野君も怒るのね」
「ですから短気ですよ」
「そうは見えないから」
このことは本当にです。
「馴れ馴れしいとかはあってもね」
「馴れ馴れしいですか」
「ええ、それはね」
何か私だけにそうだとか詰所で聞きましたけれど。
「感じるけれど短気とはね」
「気をつけてるんです」
「癖性分としてなのね」
「はい、そうです」
「癖性分はね」
これもおみちの言葉です、その人の気質と思っていいです、いい意味で使われることはまずないみたいです。
「自覚してこそだからね」
「なおしていけるものですね」
「ええ、だから自分でそう思うならね」
「はい、なおしていきたいです」
「そうしてね、人も気付いたら言うけれど」
その癖性分についてです。
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