第十話〜模擬戦〜
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すいません。」
なのはの申し訳なさそうな顔を見て咄嗟に謝るスバルであった。
そのやりとりを少し離れたところで見ていたフェイトはそばにいたエリオとキャロに尋ねた。
フェイト「…二人もライのこと気になる?」
エリオ「気にならないことはないですけど…」
キャロ「話せないのには理由があると思うから。」
エリオ「僕たちは、ライさんが自分から話してくれるのを待ちます。」
キャロ「はい。」
フェイト「偉いね、2人とも。」
二人からの言葉を嬉しく感じるフェイトは二人の頭を撫でた。
スバル「……」
ティアナ「あの二人の方が大人ね。」
スバル「あぅぅぅ〜〜……」
なのは「ほら、落ち込んでないで。そろそろ始めるよ。」
機動六課特別空間シミュレーター
今回の模擬戦で使用する環境は森に近い林である。その中で少し開けたところにライとシグナムの二人は対峙していた。
なのは『それじゃあルールの確認をするよ。制限時間は三十分。タイムアップかどちらかがノックダウンしたら終了。それと飛行魔法の使用は禁止。それでは準備はいい?』
なのはがライとシグナムに模擬戦の最終確認をしていく。二人は無言で頷く。
ライに飛行魔法の適性はあったが、練習中は浮くことはできてもそこから飛行することはできないでいた。そのため、今回は陸戦の模擬戦になっていた。
シグナム「手加減などせずに全力で来い。」
ライ「全力で挑みます。」
なのは『それじゃあ、模擬戦開始!』
なのはがそう言った瞬間、ライはデバイスを構えシグナムに向かって踏み込む。シグナムもそれに応えレヴァンティンを構える。そして二人の斬撃が交差する。初撃をお互いが受け止めると二回、三回……と斬撃の押収が始まる。
ライはシグナムの剣撃を受け流すことに集中していた。初撃はライから攻めたのだが、それ以降は防戦一方になっていた。何より……
ライ(一撃、一撃が……重い!)
シグナムの攻撃一つ一つが重く鋭いため、防御を緩めるとそのまま押し込まれそうであった。
一方、シグナムの方もライの技量に舌を巻いていた。
シグナムの全ての攻撃を正確に見切り、受け、弾き、逸らし、躱していくライ。しかも一歩間違えば致命打になる行動も迷わず選択し、恐ろしい程の精度を誇っている。
シグナム(コイツのこの無駄のない動きは何だ?!)
シグナムがもっとも感じていたのはそこであった。ライは一般の兵士が持つ動きのムラ、もしくは動作に生じるスキがあまりにも少なかった。その動きは一種の美しさすら持っており模擬戦を観戦している人全てを魅了していた。それほどまでにライの動きは洗練されていた。
シグナムが剛の剣とするならライは柔の
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