~make BUTEI killer truth of―one~
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「そっけないですねー?こっちからは理子ルートだよー?」
「ギャルゲーじゃないんだから…… あっ、ほら、腕放せ!」
なぜか俺と腕を絡ませた理子は、意気揚々と店の奥へと進みだす。 ……来るんじゃなかった、こんなとこ。
しかもそれを見た武偵高の女どもがヒソヒソと、
「彩斗、こんどは理子ちゃんと付き合ってるのかな?」
「えー、どうだろ?分かんない」
「アリアに続いて理子ちゃんって……彩斗ってチビ専なのかも?」
おいそこ、聞こえてるぞー。
二重三重に誤解するな。
理子に連れられ、入った部屋は…アールヌーボー調に装飾が施された、ちょっと高級感漂う2部屋だった。
ぽふんっ。とソファーに座った理子が、手でモンブランと紅茶を示し、ウィンクしてくる。
「理子が呼び出したから、おごったげる」
……らしい。そう言うと理子は、ミルクティーをんくんく飲み、その二重の眼でこっちを見上げてきた。
「あっくん、アリアとケンカした?」
「んー……まあな。ってか何でお前が知る必要がある」
「十分に関係あるよー?あっくんはアリアと仲良くしなきゃいけないしね」
仲良く……パートナーのことか?
いや、理子はそのことを知らないし……んー?
それに、と理子が続ける。
「そうじゃないと、理子が楽しくないもん」
モンブランにフォークを刺し、ニヤッと笑う。
本音だよ、っていう顔だ。
「はい、あーん」
切り分けたモンブランを乗せたフォークを、俺の前に突きだしてくる。
「……だれがするか」
俺が拒否の意を示すと、
「そっけないなぁー……―『武偵殺し』―」
何かのカードを切るように俺に告げる。
「何か分かったのか?」
「あーんしてくれたら教えてあげる」
女子からのあーんなんて、死ぬほど恥ずかしいんだが…
背に腹は変えられないしな。
理子にモンブランを一口もらった俺は、教えろ、とアイコンタクトを送る。
「くふ。あのね、警視庁の資料にあったんだけど……過去、『武偵殺し』にやられた人って、バイクとカージャックだけじゃないかもしれないんだって」
「もしかして……可能性事件、ってやつか?」
可能性事件。公には事故ってことになっているが、何者か……第三者の仕業で隠蔽工作をされ、分からなくなっている事件…だったか?
「そう。今回の場合、事故ってことになってるけど、実際は武偵殺しの隠蔽工作で分からなくなってるかもしれない。ってワケ」
さらに、
「そこにね、見つけちゃったんだ。たぶんそうじゃないかなぁって名前」
ポケットから、ぴらっ。と1枚の紙を出した。
「―! これって……」
『2008年12月
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