ペルソナ3
1899話
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俺の方を見た荒垣は、特に表情を変えた様子もなく口を開く。
「そうだな、そこまで気にする必要はねえと思う」
平然とそう告げる荒垣だったが、実際に先程の戦闘ではかなり厳しい表情を浮かべていたのだ。
それを見ている以上、そう簡単に荒垣の言葉を信じられる筈もない。
元々荒垣は頑固というか、そういう自分の苦しいところを隠すのが上手いからな。
「本当だな? もしお前がここで無理をして、その結果ペルソナが暴走して他の連中に被害が出るような事になれば、後悔するぞ?」
「……大丈夫だ」
自分に言い聞かせるように、荒垣がそう告げる。
「幸い……って言い方はどうかと思うが、昨日お前を相手に暴走した事もあって、何となくカストールを操る方法が分かった気がする。まだ完全に大丈夫って訳じゃねえから、気は抜けねえがな」
「それは幸い……って言えばいいのか?」
「好きにしろ」
そこで荒垣との話を切り上げ、改めて周囲に向かって口を開く。
「よし。じゃあ先に進むぞ。何があってもすぐ対処出来るようにするのを忘れるなよ」
そう告げ、最初と同じ陣形でタルタロスの通路を進み始める。
数分程進むと、やがて通路がY字路になっている場所に辿り着く。
さて、こうなると次にどっちの方に行くかだが……
「左だな」
「理由は?」
即座に左と告げた俺の言葉に、順平がそう尋ねてくる。
まぁ、取りあえず喧嘩腰の様子じゃなくっただけマシか。
勿論これで完全に順平の俺に対する感情のしこりがなくなったとは思わないが。
「何となくだな。直感だ」
「……いいのかよ、それで」
「ま、別にいいんじゃない? どっちに行けば正解なのかなんて、実際に行ってみないと分からないんだし」
順平の疑問に、ゆかりがそう答える。
地図か何かがあれば話は別だが、双方向ターミナルのある階ならまだしも、ここみたいに毎日構造が変わる階だと、地図とか意味がないしな。
今日必死に地図を作っても、その地図は明日になれば全く役立たずになるんだし。
結局そうなると、こういう風に道が2つ、3つとなっている時に重要なのは、勘なんだよな。
ただ、個人的には宝箱を取り逃さないように、行き止まりに宝箱のある道を最初に選びたいものだ。
「……俺は部外者だし、ここではどうこう言わねえよ」
「そうした方がいいでしょうね。それで、そっちのパーティはこういう分かれ道に遭遇した時、どうやって選んでるの?」
「桐条先輩からのナビ頼りだな。……ただ、それでも分からない時は、結局勘で選ぶ事になる」
その勘を発揮するのは誰なのかと言えば……勿論順平という訳ではなく、パーティのリーダー……つまり有里なんだろう。
順平にとっては、それも面白くない理
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