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ヘタリア大帝国
98部分:TURN10 アイドルレーティアその二
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TURN10 アイドルレーティアその二

「これを授けよう」
「総統閣下御自身の手で我々に」
「授けたい。そうしていいか」
「光栄の極みです」
 マンシュタインだけでなくロンメルもだった。声を昂ぶらせて言う。
 そしてそのうえでドイツ達もだ。そのレーティアからだ。
 コインを受け取り勲章も貰った。そうしてだった。
 彼等はレーティアに勝利を褒め称えられた。その後でだ。
 マンシュタインはロンメルにだ。戦艦アドルフのその機械的な、一切装飾のないあくまで実用的な艦橋の中でコーヒーを飲みながらだ。こう言われていた。
「まずは完勝ですね」
「そうだな。それにだ」
「はい、勲章のお褒めの言葉も頂きました」
「我々が勝てたのは総統閣下のお陰だ」
「はい、まさにあの娘のお陰です」
 ロンメルがレーティアを『あの娘』と言ったのを聞いてだ。それでだった。
 その目をやや顰めさせてだ。こう言ったのだった。
「前から思っていたがだ」
「俺の呼び方ですね」
「そうだ。総統閣下に対して不遜だ」
 マンシュタインはこう言ってロンメルを咎める。
「訂正すべきだ」
「堅苦しいのは苦手なんですよ。それにです」
「心はか」
「ええ、あの娘への熱い心」
 ロンメルは確かな微笑みでマンシュタインに話す。
「それは貴方と同じですよ」
「そうだな。御前は確かに態度には問題があるがだ」
 謹厳実直そのもののマンシュタインから見ればだ。確かにロンメルの態度は軍人としてどうかと思われた。しかし彼の内面を知っているからこそ。こうも言えた。
「それでもな」
「心こそが大事ですから」
「私は前はその言葉を信じなかった」
 マンシュタインはこうも言った。
「だが今はだ」
「違いますね」
「御前を見たからな」
 それ故にだというのだ。
「軍人に必要なものは心だ」
「忠誠心ですね」
「あの方はまさにドクツの為におられる」
「はい、その通りです」
「あの方あってのドクツだ」
「だからこそです。俺も」
 忠誠を誓っている。そうだというのだ。
「少なくとも偽りはないつもりです」
「言う必要はない。わかる」
 ロンメルのその心がだというのだ。
「だからいい」
「それはまたどうも」
「そしてだ」
 さらに言うマンシュタインだった。
「ポッポーランドとの戦いは終わった」
「ポーランドも降伏しましたね」
「あの国もドクツに入ることになった」
「ええ、それもすぐに進めないといけないですね」
「我々はすぐに北欧に向かう」
 戦いはこれで終わりではなかった。まだ行われるのだ。
「そして今度は北欧連合と戦うがだ」
「問題はエイリスですね」
「アイスランドから艦隊を送ってくるな」
「間違いなくそうしてきますね」
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