EX回:第38話(改2)<嵐へ発進>
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が高まった。
思い起こせば突然放り込まれた異世界は、とても不思議な時間だった。
しかし、すべては必然であったようにも感じられた。
機体は強い風を受け揺れつつも徐々に高度を上げる。
機内に緊張が走る。やがて機体は前方の積乱雲の中へと突入していった。
「しっかり掴まっていてください」
機長が叫ぶ。
一度通ってきた道とはいえ万が一の事も無いとは言いきれない。
私は念のために技術参謀に聞いておきたい事があった。
「一つ伺っても宜しいでしょうか?」
「なんだ?」
彼女は腕を組んで難しい顔をしていた。
「なぜ……舞鶴ではなく山陰に実験の為の鎮守府を設置されたのですか?」
「ああ、それか」
参謀は、こちらを向き直ると案外機嫌よく答えてくれた。
「山陰は僻地だろう? 極秘の研究には、打って付けの環境なのだ」
この質問は聞いて欲しかったのだろうか?
だが地元出身者には複雑な回答だった。
(聞かないほうが良かったかも)
私は内心苦笑していた。
やがて風雨が激しくなり機体の揺れが激しくなってきた。
「おぉえ」
あれは夕立だ。
絶対、お前は自分の名前に合ってないよな。
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