第十一話 決勝戦、見ます その1
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が違う奈々に何を言われたか理解できない顔をしていた。
「第一、誰に向かってお嬢さんって言ってるんだよ?私に言ってるんじゃないよね?言ってたらぶっ殺すからな」
「き、君?年上に向かってその態度はどうかと思うな〜」
青筋立てながらも大人としての威厳を保とうとしていた若い人は出来るだけ優しい口調で奈々に言ったが……
「うんじゃあお前がその態度を改めろゴミクズ。私はお前より年上で位が上で財力が圧倒的に上だぞ?」
「奈々ちゃんは私と同い年だからね。あと社長だよね?」
「その通りです!千秋さま!」
奈々の発言に補足するように千秋が言ったがここに居る多くの人が理解できていない顔になっていた。
しかし少ない人数ながらも理解し奈々が誰なのか分かったのか恐る恐る聞いてきた。
「あの……本間重工業の本間奈々でしょうか?」
「やっと気付いたか馬鹿共。そんな低脳でよく西住流にいられるな?あぁ失礼、西住流全員低脳でしたねぇ!!」
「口が過ぎるよ奈々ちゃん」
「申し訳ありません千秋さま!正直に思っていることを言ってしまいました!テヘッ♪」
本間重工業とは『ネジから人工衛星まで!』をスローガンにかがげている日本を代表する重工業でありおもちゃのネジから人工衛星のソーラーパネルまで造り上げる巨大企業である。勿論、戦車道の関連商品も多く取り扱い生産している。しかし国内よりも国外に多くの商品を販売しているため、日本国内での知名度はあまり高くない。
その社長が本間奈々なのである。
そして栗林千秋の後輩でもある。
「さ、先程はご無礼を!し、しかしいくら何でもそこまで言わなくても良いのでは……?」
「……ふんっ」
顔を青くしながら謝罪するも、言い過ぎだと暗に言ったが奈々の返した答えは鼻で笑うだった。その態度からは明らかに馬鹿にし見下していることが分かった。
「無能の低脳の馬鹿に、分かるように言っているだけだ。正直に言って何が悪い?それに西住流だから偉いのか?そんなわけない。そこの『殺人未遂犯』はともかく貴様らは大した実力もないのに西住流の門下と言うだけで威張り散らす愚か者ではないか!?貴様らのような者を虎の威を借る狐と言うんだ!分かったか!?バァァァァカァァ!!」
そう怒鳴ると奈々は千秋の方を向いた。
「千秋さま、そろそろ行きませんと鍋島や池田が待ちくたびれてしまいます。移動しましょう」
「うん、分かった。またね、しほちゃん!私は友達と一緒に試合見るから!しほちゃんも楽しく試合見てね!」
千秋は席から立ち上がりしほに言うと歩き出し、そのすぐ後ろに奈々が着いていった。
残されたものはただその後ろ姿を見ることしかできなかった。
決勝戦
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