第十一話 決勝戦、見ます その1
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ですね」
「しっかり西住流してるね!」
「………」
「まあ〜個々の練度は相変わらず低いみたいだけど、それも西住流だから仕方がないね」
そう言うと後ろから殺気立った人々が千秋を睨みつけ何かを言おうとした。
「千秋さん言い過ぎです」
しほが遮るように千秋に言うが
「でもそうじゃん。西住流で強いのしほちゃんだけだよ」
火に油を注ぐ結果となった。
「ふざけるなぁ!弱小流派の分際で西住流を愚弄しおってぇ!」
「師範と知り合いと言うだけで言いたい放題言ってぇ!分を弁えろ!」
「貴様のような輩が戦車道を汚すのだ!恥さらしめ!」
何人かの西住流関係者が怒鳴りながら千秋を罵倒するがその隣にいたしほは頭を抱えたくなった。
何故ならこの後千秋が言う言葉が容易に予想できたからだ。
「それで?他に言うことは?」
千秋は笑いながら自分を罵倒してきた者へ言った。
「それだけなら黙っててくれる?うるさくて試合に集中できない。……お!ポルシェティーガーをみんなで引っ張ってる!」
面倒くさそうに言うと千秋の視線はスクリーンに集中した。
その態度が西住流関係者の怒りを招いているのにもかかわらず、興味なさそうに答えを返したため、関係者は更に怒り、青筋を立て、ワナワナと震えていた。
このまま行けば暴力事件に発展しかねないと判断したしほは、西住流師範として止めようとしたが………
「千秋さまぁぁぁぁぁ!」
その叫び声が後ろから聞こえ全員が振り向くと何かが千秋に向かって飛んで行った。それを千秋は胸で優しく受け止めた。
「千秋さまぁぁぁ!会いたかったですぅぅぅぅ!」
「くっつき過ぎだよ奈々ちゃん」
「スゥーッハァァ!スゥーッハァァ!スゥーッハァァ!千秋さまの匂いいい匂い!!」
「それは良かった」
千秋は胸にくっついている者の頭を優しく撫で、くっついている者は千秋の胸にうずくまりながら何か言っていた。
いきなりの事に千秋としほ以外は思考が追いついていなくただ茫然としていた。
そうしている内にくっついていた者が千秋の胸から離れた。
髪型は千秋と同じ腰まで伸ばしたストレートヘア、背丈は150pほどで小柄、そして童顔で満面の笑みを浮かべていた。
「本間奈々!千秋さまの元にただ今推参致しました!!」
元気よく千秋に挨拶した彼女に対して、周りの人間はやっと事態が把握してきたのか動き始めていた。
「あの、お嬢さん?ここは関係者以外立ち入り禁止だよ?」
その中の若い一人が奈々に近づいて話を掛けた。
「あん?関係者だから入って来てんだろ?それぐらいのこともわかんねぇのか西住流のクズ共は?」
「………えっ?」
あまりにも千秋との態度
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