ペルソナ3
1898話
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「……で? 結局順平も一緒にタルタロスに行くの? この忙しい時に?」
桐条からの依頼を口にすると、ゆかりはかなり不満そうにそう告げてきた。
まぁ、分からないではない。
荒垣は恐らく数年ぶりになる、ペルソナを使った戦いに参加しようとしているのだから。
しかも、荒垣のペルソナのカストールは、荒垣本人の未熟さもあって暴走する可能性が高い。
もっとも、これは荒垣だけが特別に未熟だという訳ではなく、カストールの潜在能力の高さ故だろうが。
特にシャドウとの戦闘を任されているゆかりにしてみれば、いつカストールが暴走するのか分からない中での命懸けの戦闘となる訳で……
ましてや、ゆかりの召喚器も使い慣れた物ではなく、全く新しい奴だ。
そうである以上、当然のようにゆかりは今日の戦闘で色々と気を配ったりする必要がある訳で……そこに、最近ゆかりが嫌っている順平が入ってくるとなれば、到底それを承服出来ないという思いを抱いても仕方がないというのが、俺の正直な思いだった。
もっとも、そんなゆかりの気持ちを理解出来るからといって、今回の件をなかった事に出来るかと言われれば……答えは当然否なのだが。
「悪いが、この件は既に決まった事だ。ゆかりには色々と不満があるかもしれないが、それを理由に却下するということはない」
きっぱりとそう告げると、ゆかりはまだ若干不満そうな様子はあったが、それ以上文句は言わなかった。
「荒垣の方は、それでもいいのか?」
「ああ。アルマーが決めたんなら、それでいい。ただ……アルマーが昨日見た通り、俺のペルソナは暴走する可能性がある。伊織の奴に危険が迫ったら……その時は、アルマーに任せてもいいんだな?」
「任せておけ。例え暴走しても、どうにかしてみせる。……一応今回の戦闘には、順平も来るという関係で俺も参加するからな」
「まぁ、それがいいんでしょうね」
先程までは少しだけ不満そうな様子のゆかりだったが、俺が戦闘に参加すると聞くと、安堵の息を吐く。
17階ということで、まだまだ未知のシャドウが多いというのもあるが……やっぱり、ゆかりにとって1人で戦闘をするというのは、色々と厳しいのだろう。
まぁ、ゆかりの武器が弓である以上、そもそも1人で戦闘をさせるというのが厳しいんだろうが。
ただ、そのおかげでゆかりの戦闘技術がかなりの速度で上がっているのも、間違いないんだよな。
そんな風に考えつつ、取りあえずゆかりと荒垣に納得して貰ったのを確認し、影のゲートを展開する。
そうして影に沈んだ俺達が姿を現したのは、桐条達の住んでいる寮の前。
理解はしたけど、納得はしてないといった様子のゆかりと、これから恐らく数年ぶりのペルソナを使って戦闘――昨日の件は抜きにして――という事で緊張しているだろ
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