ペルソナ3
1898話
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言いながら、順平はいつ敵が出てきてもいいように大剣を構える。構えるんだが……その握り方は、それこそ野球でバットを持つかのような握り方であり、とてもではないが大剣を握るのに相応しくはない。
「順平、お前……桐条達のパーティに加わってタルタロスに挑んでるのに、何か訓練とかはしてないのか?」
そんな順平に思わずといった様子で声を掛けるが、順平は俺に一瞬視線を向けるものの、すぐに視線を逸らす。
……まぁ、ここで噛みついてこなくなっただけ、改善したと言えるのか?
ただ、タルタロスに挑むというのを承知しているにも関わらず、それでも全くトレーニングをしていないというのは……自分が選ばれた存在であると認識していれば、それもおかしくはないのか?
剣道部の宮本と一緒に行動する事も多かったんだし、いっそ剣道部に入部してもよかったと思うんだが。
勿論、剣道部で使っているのは竹刀……つまり、武器的には大剣ではなく長剣の方が近いから、完全に順平の役に立つのかは疑問だが、それでも何もやらないよりはいいと思うんだが。
「しょうがない。戦闘は俺、次に順平、荒垣、ゆかりの順番で進むぞ」
ゆかりが一番後ろなのは、弓という武器を手にしているからというのもあるのだが、やはり荒垣がペルソナを召喚した時に暴走して襲い掛からないようにだ。
……勿論この隊列での行動を考えれば、荒垣が召喚したペルソナが順平に襲い掛かる可能性もある。
だが、その時は荒垣の後ろにいるゆかりが素早く注意する筈だった。
ゆかりと順平を逆にしてもいいんだが、普段の生活ならともかく、戦闘が起きた時の順平は、信頼も信用も出来ないのは間違いない。
特に誰も異論はないようだったので、俺達はそのまま17階を進む。
「な、なぁ、ゆかりッチ、ここで出てくる敵って、どのくらい強いんだよ?」
「そうね、そこそこってところかしら。何を怖がってるのよ。順平は選ばれた存在なんでしょう? なら、シャドウ程度、どうにでもなると思うけど?」
一応話をしてはいるが、ゆかりの口調は冷たい。
まぁ、順平に対して色々と思うところがあるのだろうし、それも当然といったところだが。
そんな風に進んでいると、こっちに近づいてくる気配を感じる。
「来たぞ。数は……3」
その言葉に、順平が緊張した様子を見せる。
いや、緊張しているのは順平以外の2人も同様だ。
ゆかりは、昨日までの召喚器ではなく、全く新しい召喚器を使う事に。
そして荒垣は、自分のペルソナを暴走させないかと。
当然の話だが、緊張の度合いという意味ではゆかりよりも荒垣の方が大きい。
……向こうを気にしておく必要もあるだろうな。
そんな風に考えている俺の視線の先で、3匹のシャドウが姿を現す。
桐条グル
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