0241話『佐渡と大鷹とヒ71船団の話』
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大鷹さんが敵の魚雷を受けて沈んでしまい悔しい気持ちでそれでも進んでいったけど結局あたしも後を追う事になってしまった……。
だからもう大鷹さんが沈む姿は見たくないんだ。
「あたしは、あたしは絶対に大鷹さんを守るんだ……そう心に決めてるんだ」
「佐渡さん……」
「佐渡ちゃんの気持ち、分かるな……松輪も、佐渡ちゃんとヒ71船団の時に一緒だったから大鷹さんが沈んだ時はとても悔しかったもん……」
「わかってくれるか、まつ……」
「うん……」
まつが同意の笑みを浮かべてくれるので少しだけあたしも気分が落ち着いた。
「……まだあたしは大丈夫だから先に進もうぜ!」
「平気なんですね? 無理そうだったら言ってくださいね?」
「わかってますよ。大丈夫、これでも海防艦のはしくれだからどうにかするよ!」
「わかりました。それでは佐渡さんを守りながら進みましょう!」
「「「はーい!」」」
そんな感じであたし達はその後も潜水艦を打倒しながら進んでいって任務も終了して帰投したらそっこうで入渠をしていた。
「いやー……やっぱお風呂はいいよなぁ。身体の痛みが引いていくぜ」
あたしはそう呟く。
他のドッグには誰もいないので今はあたしが独占できるのはいい事だ。
そんな時に入渠ドッグの部屋に誰かが入ってきた。
あたしはそれで顔を向けてみると大鷹さんがいた。
「大鷹さん……?」
「佐渡さん……少しよろしいでしょうか?」
少しだけ真剣な表情の大鷹さんにそう言われたら断れないので、
「そんじゃこんな状態ですみません……」
「いいですよ。私を守って負傷してしまったのですから気にしないでください」
大鷹さんはドッグの近くに椅子に座って一回息を吐いた後に、
「佐渡さん、私は……あの時にすぐに沈んでしまったから後の事はあまり分かっていないんです。それでも調べる事はできました。速吸さんや佐渡さん、松輪さんと大勢の方が沈んでしまった事も……とても大変だったんですね。私が力になれずにすみませんでした……」
「あ、謝ることは無いよ! あの時だって大鷹さんはほとんど艦載機も積んでなかったじゃん! だからあれは仕方がなかったんだよ」
そう、あの時にはすでに積める艦載機もなかったから輸送船と化していた大鷹さんは魚雷には対抗する術もなかったから仕方がなかったんだ……。
だからあたし達が船団護衛についていたのに……みすみす敵の攻撃を許してしまって……、
「むしろ謝りたいのはあたしの方だよ。船団護衛していたのに守れなかったからな……」
「ふふ……それではお互い様ですね」
「そうだなぁ……悔しいけど敵が強すぎたんだな、うん……」
それで大鷹さんと苦笑いを浮かべあう。
「でも、こうして艦娘として佐渡さんとも出会
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