3時間目
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。単に知らなさすぎるだけかもしれないが、紅魔館の主と違い日光の下でも活動できる彼女ならば何かかかわりがあるのかもしれない。
(ま、事実だったらの話だがな)
この学園は魔法使いの庭、そんなことを続けていれば日光を克服した吸血鬼といえどもただでは済まないはずだ。
そう考え、千雨はその噂のことを頭の隅へおいやる。
所詮は噂、たわいもない作り話だとそう思っていた。
数分後、クラスメイトである佐々木まき絵が保健室へ運ばれたという知らせが届くまでは。
――――――――――――――――――――
「なーんだ、たいしたことないじゃん」
「甘酒でも飲んで寝ちゃったのかな?」
保健室。件の佐々木まき絵が眠るベッドのそばでそう話すクラスメイトたち。
ネギ先生が心配そうに彼女をのぞき込む中、千雨はその様子を後ろからひっそりと見守っていた。
やがて彼らがその場を去ると、千雨は音もたてずにまき絵に近づく。
そっと首筋に手を当てれば、そこにはわずかに二つの紅い点が刻まれているのが確認できた。
(この妖気と魔力、首筋の傷跡から察するにこれは十中八九吸血鬼の仕業、……子供先生も魔法使いならばこれの気配に気がついたはず、なら……)
少し考え、そういえば今日は満月だったなと思い出す。
(面倒だが少し調べてみるか)
そう思い、足早に保健室から去る。
途中しずな先生や何人かの生徒とすれ違うことになるが、だれも千雨に気が付くことはなかった。
――――――――――――――――――――
「お、覚えておけよ〜」
と三下のようなセリフを言い残して去っていくエヴァンジェリンと同じクラスの絡繰茶々丸。
背中に設置されたブースターのようなものでエヴァンジェリンを乗せて飛んでいく彼女はどこからどう見てもロボット以外の何物でもない。
「うわ〜ん! アスナさーん!!」
「わ、ちょっ、危ない!? ここ屋上だって!」
そして緊張が解けたのかクラスメイトの神楽坂明日菜に飛びつくネギ先生。
千雨の予感通り、桜並木の吸血鬼の正体はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルであった。
彼女が新たな被害者に襲い掛かったところに事件を察知したネギ先生が乱入、そのまま交戦となる。
彼にしては善戦した方なのだが彼にパートナーとなる人間がいなかったのが勝負の明暗をわけた。
魔法使いたちは魔法を行使する際に完全に無防備になることが多く、そのために呪文詠唱中の魔法使いの盾となり剣となる従者が存在する。通称「魔法使いの従者(ミニステル・マギ)と呼ばれる者たちである。
ネギ先生が詠唱しようにも、その隙を茶々丸がついて攻撃する。
2・3度それが繰り返された後
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ