91部分:TURN9 ドクツ動くその六
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TURN9 ドクツ動くその六
そのうえでだ。また言うのだった。
「まずは東欧だ。一気に進む」
「そしてそのうえで北欧か」
「あの連中も引き込んでくか」
「北欧連合王国で問題なのはノルウェーとデンマークだ」
北欧連合は五つの国の連合王国なのだ。その構成国のこともだ。レーティア達は把握していた。
「スウェーデンは中立的、フィンランドは我々に好意的だ」
「既にスウェーデンにも工作は行っているわ」
グレシアがまたレーティアに答える。
「デンマーク、ノルウェーを攻略すればあの国もね」
「一気にドクツになびく」
「そうなるわね。それでノルウェーとデンマークもね」
「彼等もドクツに組み込もう」
「そうしましょう。ただ」
「ただ?」
「アイスランドが問題ね」
グレシアは怪訝な顔になり首を少し傾げさせて言った。
「あの国がどう動くかよ」
「アイスランドか」
「ええ。あの国の動きが問題になるわね」
「そうだな。既にあの国はエイリスと関係がある」
ドクツの宿敵の一つのだ。その国とだというのだ。
「そこからエイリスの艦隊が来るだろう」
「既に送る準備はしているかも知れないわね」
「あの女王は中々の切れ者だ」
レーティアはここでこう言った。
「それも考えられる」
「そうね。厄介なことにね」
「有能な敵と無能な味方は厄介だ」
今は何気に言った。だがレーティアは後にこの言葉を噛み締めることになる。
「そしてあの女王はだ」
「有能な敵ね」
「エイリスは甘く見れない」
レーティアは真剣な面持ちで述べる。
「獅子はな」
「獅子ね。若しくはね」
「ユニコーンだ」
エイリスのことをだ。こうも例えて話される。
「だからあの国を倒し。そしてだ」
「モスクワまでのソビエトの領土を手に入れてね」
「ゲルマンの生存圏を築く」
そしてだった。
「そこを地盤にして世界を統一するのだ」
「ええ、遠大だけれど」
「可能だ。いや、必ず果たす」
レーティアの言葉には虚勢はなかった。揺らぎもだ。
そしてその絶対の自信と共にだ。言ったのである。
「私の計算に狂いはない」
「世界統一計画への計画はね」
「何度も検証した。私にはできるのだ」
そうなのだった。レーティアにはだ。
「だからこそ実行に移す。私は実行できないことはしない」
「じゃあポッポーランド侵攻もね」
「おそらく世界の誰もが無謀な戦いをはじめたと思うだろう」
世界の目もだ。レーティアは察していた。そして把握していた。
「しかしだ。それは間違いだ」
「ええ、ポッポーランド軍の戦力ではね」
「今の我々の相手ではない」
レーティアはまた断言した。
「完膚なきまで叩き潰しドクツ第三帝国の初陣を飾る」
「ではだ。俺達
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