第三十九話 エヴァちゃんは無事
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せて、どなた様ですかと多少苛つきを隠さぬ誰何を行うと、
その男が『喜びなさい貴方のお嬢様は、幸運にも、
比類なく高貴なおかのご寵愛を受ける事とになったのだ、
家族の者もそのおこぼれに預かることができるだろう』と言い、
迎えに来るのは一週間後だと言って帰って行った。
みんなの顔は真っ青だ、エヴァは泣き出してしまった、
親父は壁を殴って叫んでいる、
お袋は泣いているエヴァを抱きしめながら自ら涙を堪えている、
俺は行き場のない怒りに震えていた!
エヴァエヴァエヴァどうしてこんな事になるんだ!
皇帝だってチクショー馬鹿にしやがって、
なんでも自由に出来るのかよ!
親父が俺の怒気を感じたのかそっと肩に手を伸ばしてきた。
親父は俺の顔を見ながら、準備をしようと言ってくる。
長いものには巻かれろって言うのかと親父の手を振り払ったが、
親父は首を振って、フェザーンへ逃げるんだと言ってきた。
俺は先ほどの『ウォルフ2人で行くんだ』を思い出し、
4人で一緒だと強調した。
その直後、また自宅の前に地上車が止まった、
俺は身構えたが車を見ると宅配の車だ、
中から宅配の制服を着た若い男性と女性が出てきた、
車から大きな荷物を2人で持って玄関へやってくる、
玄関のベルが鳴る、こんな時に宅配かと思うが出ないわけには行かない、
親父が玄関を開けると、宅配員が大きな品物を持ち立っていた。
『クリムバッハ様よりミッターマイヤー様にお荷物なんですが』
この悲壮な空気を気にしないような明るい声で女性が話す。
親父の仕事仲間の名前らしい、仕方なしに親父は家に荷物を入れるように話す。
宅配員が親父の耳元で話す、すると親父の表情が明るくなっていくのが判る、
いったい何なのだ?
親父がいきなり『新年早々お疲れ様です、寒いでしょう御茶でも飲んで行きなさい』と言い始めた。
親父気でも狂ったかと俺は思い、お袋やエヴァは驚いた表情をしている。
俺は親父に意見しようとしたが宅配員が『お言葉に甘えてご馳走になります』とにこやかに話した。
親父はお袋に御茶を持ってきなさいと言う、
お袋は何か感じたらしくエヴァと共に台所へ行く、
親父が宅配員を部屋中央へと招く、そして俺も手招きする。
俺は何かと行くと少壮の弁護士風の男が俺の耳元で驚くべき話をし始めた。
『ミッターマイヤー候補生、
小官はさるやんごとなきお方にお仕えする者です、
今回の事は陛下はあずかり知らぬ事、
あの者が勝手に行いし行為で其れを知った、
そのお方が阻止する為に私を使わしたのです』
驚いた恐らく親父のように俺も驚いた顔をしているのだろう、
俺は縋るような目でその男を見る、
真剣な表情と真剣な目、
嘘を言っているようには見
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