第七章 C.D.の計略
新たなる者達1
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
五月中ごろ。
暖かかった空気が湿りだし、段々と六月の梅雨時へと向かいつつある時期。
新たに始まった環境などに慣れてきた者もいれば
思い描いていた理想とのギャップに鬱になるものもいる
そんな時期。
ほむらたち五人の魔法少女たち。
彼女らの事件から、二週間ほどが経っていた。
------------------------------------------------------------
「不安定な天気だなぁ」
「いやぁ、大変ですよ。菜園の世話とか」
「EARTH」食堂。
そこの窓から外を眺め、晴れとも曇りとも言い切れないあいまいな天気に溜息をもらす蒔風。
独り言とも話しかけていたとも取れるその言葉を拾ったのは、この食堂の主である津上翔一である。
時間は11時半。
今日の食堂は、12時から天道があずかることとなり、津上は出かける予定のようだ。
「アギトの会ですよ!」
「あー・・・・あれか、アギトの力に目覚めた人たちの?」
「そうです!俺、そこの会長なんです!!」
ドヤッ!といった感じに、えへんと胸を張って言う津上だが、どうにも彼が言うと気が抜けてしまう。
ともあれ、蒔風はそんなことは言わない。彼だって同じような立場だからである。
どう見てもどこにでもいるとっぽい兄ちゃん。
この男を見て「EARTH」局長などと誰が思うだろうか。
「おいいま誰か失礼なこと言わなかったか?」
「いえ?ほかにお客さんはいますけど、そんなのは聞こえませんねぇ」
「そっか」
そう言って振り返っていた頭を戻し、正面に座る津上との話に戻る。
アギトの会、というのは、先ほど蒔風が言ったようにアギトの力に目覚めた人たちの相談窓口のような会だ。
基本的に、「EARTH」において「アギト」というと二つの言葉が出てくる。
一つは、シグナムとコンビを組む、古代ベルカ式ユニゾンデバイス「烈火の剣精」アギト。
そして二つ目は、言わずもがな仮面ライダーとして登録されている、津上翔一の変身した姿である。
ここでアギトというと、イコール津上翔一というイメージが出来上がっているが、しかし広義の意味で「アギト」というとその該当人物は意外にも多い。
なぜならば、厳密にいうとアギトというのは変身した戦士の名前ではなく、超能力を発現し、その高みに立ち肉体を変化させる(変身できる)人間のことや、若しくはその力そのもののことを言うのだ。
故に、アギトの世界由来の超能力発現者は、全員とは言えないもののいずれは「アギト」となる可能性を秘めているということだ。
だが、その段階に至る速度は個人差があり、超能力に目
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ