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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
新たなる者達1
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ここからは、実際に力を使ってみようということで、ついに直った「EARTH」の地下訓練場を使用しての体験になる。

相手を務めるのは、ギルスこと芦原亮。
ギルス、という単語もアギト同様に彼個人を指す場合と、アギトの前段階という二つの意味がある。

だが、現段階でギルスになった者は芦原のほかにはいない。
そもそも、今の芦原とてアギトと同等の力を得たギルス、ではあるが。



「んじゃあ行きますか」

「相手は六人か」

「ん〜・・・・まずはあれですね。アギト由来の超能力なのかどうか、ですね」

「だな」


そういって、二人だけになった会議室から出ていこうとする二人。
だが、そこに一人の青年が扉を開けて入ってきた。


会合に遅れた人かな?と首をかしげる二人。
その二人に、青年はおずおずと話しかけた。


「あ、あのう・・・・津上翔一さんと、芦原亮さん、ですよね?」

「そうだ。お前は?」

「あ、あの僕・・・お父さんからはオルタ、って呼ばれてて・・・・」

「は?」

「あの、アギトとギルスの二人に、挨拶しようかなって思って・・・来ました・・・はい・・・」


もじもじと両手の指を絡ませながら、たどたどしく話すオルタと名乗る青年。

呆れかえるほどに気弱だ、と芦原はやれやれと頭を振って溜息をつく。
元水泳選手―――運動部だった彼からすれば、こういう輩はあまり好みではない。


「おい。話すならもっとはっきり話せ」

「は、はいぃ!あの、その・・・ごめんなさい・・・・」

「あはは・・・・えっと、それで何で来たの?今から実際にアギトの力を使ってみようってなってるんだけど」

アギトの会に遅れた人として対応する津上。
芦原は「自分が話すと萎縮させる」と判断したのか、二人のやり取りを聞いていた。


「い、いえ!えっと、ですね。今日はあいさつに来ただけなのでして。お父さんからお二人の話は聞いてましたし・・・・」

「う〜ん・・・そのお父さんって誰?氷川さんは・・・・」

「絶対にないだろ」

「ないねー。じゃあ誰だろ?」

「お、お父さんは・・・・オーヴァーロード、って言えばわかるって、言ってました」


「は?」

「え?」


このオルタという青年。
自分の父は、あろうことかあのオーヴァーロードであると言い出したのだ。

とっさの発言に、芦原が警戒して身構える。
だが、それにすらビビってしまいヒィ!?と身じろいでしまうオルタ。

気弱すぎる。
というかビビりすぎである。


「あ、あの・・・僕に戦うつもりはありません、ので!!」

「・・・・わけを聞こうか?」

「は、はい。えっと」

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