第七章 C.D.の計略
みんなを、信じてるから
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丸い、宝石のようなピンクの瞳が。
「君たちはそんな不確定要素に身を任せて、よくもそこまで自信を持っていられるものだね」
「それが、信じるってことだよ」
「僕らだって信じることはするさ。だけど、それは確かな数字や現象のみさ。感情なんていう、不確定で不透明で不条理で不理解なものにそれを託すなんてとてもとても」
「それは信じるってことじゃないわよ。私たちが言っているのは、信頼。信用とはまた違うの」
「やれやれ。まさか君たちは、暁美ほむらがあそこにたどり着いたら全て終わりとでも思っているのかい?」
「どういうこと?」
「聞かれれば応えるけどね・・・・彼女のは特別性だ。彼女は絶対にあそこから抜け出せないよ」
「ッ!!どういうことか、もっとしっかり説明しなさい!!インキュベーダー!!!」
「いやだね。この体を使っていること自体、嗚呼――――これを君たち流に言うには「怖気が走る」というらしいね。まったく、この男にあの時「怒り」等という者を教え込まれてから時々僕はおかしくなる。おかげでこんなくる必要もない星の任務に、また駆り出されることになったよ」
「待ちなさい!!!」
タァン、と軽くバックステップしてその場からフワリと浮いて下がっていく蒔風。
それを追って、唯子の手が掴みかかるように振り下ろされ
ブシュッ!!
その蒔風だった肉体は、赤と白で出来た謎の肉片となって消滅してしまった。
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唯子と別れ、学校内部に入り込んだほむら。
聞いた話では、見つけるまではいいのだがその内部に入るとなると、主人ただ一人でしか入れなくなるらしい。
まあそもそも、自分の場合は一緒に入れる状況ではなかったが。
とはいえ、中に入って驚いた。
「完全に構造を無視したつくりになっているわね」
入るためにまず25枚の学校の扉を開け
3階に上がる為に30階分の階段を上がり
去年まで自分たちの教室だった部屋の扉の前まで5キロは走った。
そして飛び込み、そこに広がっていた光景は、いつも通りの教室である。
そこの最前列真ん中の席。
そこに、白い姿をした、見慣れた生物がちょこんと座っていた。
「やあ、暁美ほむら」
「久しぶりね。インキュベーター」
インキュベーター。
宇宙の熱学的な死を回避するため、地球に住む少女たちの感情の起伏によって得るエネルギー/エントロピーを回収していた地球外生命体。
ソウルジェムを作り出したのも、それがいずれ魔女として孵化するシステムを作り出したのも、彼らである。
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