第27話 太陽の娘
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いたのは父さんだった。
「と、父さん!?」
「良かった、来てくれたんだね」
「ああ、アイナから連絡を受けてな。しかし危なかったな、エステル。見えざる脅威に対応するため常に感覚を研ぎ澄ませておく、それが遊撃士の心得だぞ」
「うん、ごめんなさい……」
さっきのは完全にあたしが油断していた事なので素直に謝った。
「なんだ、やけに素直じゃないか」
「そりゃ自分が悪いと思った事は素直に謝るわよ……」
「だがお前たちがいなければ俺も間に合わなかったかもしれん。その点に関してはよくやったぞ」
「あ……」
父さんに頭を撫でられてちょっと恥ずかしい気持ちになった、でも何だか嬉しいな。
「父さん、ごめん。僕がついてながら…」
「まあお前も守ることに関してはまだまだだったようだな。だがそんなに落ち込むな、精進するようにすればいいさ」
「うん、わかったよ」
ヨシュアも父さんに頭を撫でられて照れくさそうに微笑んだ。
「さて帰るとするか。お−し坊主ども、歩けるな?」
「あ、まってカシウスおじさん」
「あっちに誰か倒れているんだ」
「あんですって?」
ルックとパットの言葉にあたしは驚いた、他にも誰かがここにいるってこと?
「倒れているって怪我をしてるって事?大変じゃない!」
「う〜ん、それが突然現れたんだ」
「えっ、どういうこと?」
「俺達が二階に上がったらピカーって光ったんだ。そしたら知らない兄ちゃんが倒れていて……俺達町に戻って誰かを飛ぼうとしたんだけど魔獣に囲まれちゃったんだ」
「ふむ、気になるな。そこに案内してくれないか?」
「うん、こっちだよ」
二人に付いていくと確かにそこには誰かが倒れていた。
「黒髪……ここらへんじゃ見かけないわね」
「うん、珍しいね」
あたしとヨシュアが倒れている男の子を見ていると父さんが驚いた様子で駆け寄っていった。
「馬鹿な、なぜ彼がここに?」
「父さん、この子の事知ってるの?」
「話は後だ、まずは町の教会に彼を連れて行くぞ。お前達は子供たちを頼む」
「あ、父さん!」
父さんは倒れていた男の子を背中に背負って町に向かっていった。普段は冷静な父さんの慌てように少し驚いたがあたしたちはルックとパットを連れて街に戻った。
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