ペルソナ3
1897話
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「……さて、倒したのはいいけど、これからどうしたものかな」
俺の前には、ニット帽を含めて何人もの男達が倒れている。
軽く口から血を流しているような奴はいるが、重傷と呼ぶに相応しいだけの傷を負った者はいない。
その辺りは、しっかりと手加減をしておいたので間違いない。
もし俺が本気で拳を振るおうものなら、ニット帽の男は鳩尾を殴られるどころか、鳩尾を貫通されて死んでいただろう。
もしくは、貫通以前に身体が爆散していたか。
ともあれ、十分に手加減には成功したと思っていい。
問題なのはこれからどうするか、だったが……すぐにその結論は出る。
「放っておくか」
もしも今が冬なら、どうにか対処もしただろう。
だが、今は生憎と春だ。
それも今日はそれなりに暖かいので、このまま放っておいても風邪を引くという事はないだろう。
勿論夜になっても意識が戻らなければ話は別だったが、この様子だと1時間もしないうちに目を覚ますのは間違いない。
であれば、わざわざ俺がここで起こしてやるような真似をする必要もない筈だった。
そう判断し、倒れている男達の懐から財布を取り出し、札だけを抜き取って、財布を纏めて目の前に置いておく。
全員合わせて1万円ちょっとの稼ぎにしかならなかったが、こいつらの態度を見る限りではカツアゲとかそういうのを日常的にやってるみたいだったし……であれば、自分がやられる事も覚悟している筈だ。
そのまま男達をその場に残し、コンビニに行くような気分でもなくなったので、近くにあった建物の陰から影のゲートを使って自分の部屋に帰る。
「さて、取りあえずこうして戻ってきた訳だが……これから何をするか、だな。夜までは暇だし」
一応体調の事も考えて、連続してタルタロスには行かないようにしてはいる。
だが、結局昨日は17階を軽く探索しただけで、身体の疲れという意味では全く問題なかった。
勿論疲れがないのが俺だけなら、休む必要もあっただろうが……今日の学校でのゆかりの様子を見る限りでは、その辺りも特に心配はいらなさそうだったし。
恐らく今頃は、弓道部でその腕の冴えをこれでもかと言わんばかりに見せつけているだろう。
荒垣は……どうだろうな。自分が戦うという事に対し、答えが出たのかどうか。
何か切っ掛けの1つでもあれば、もう少しどうにかなると思うんだが。
取りあえず今俺が出来るのは、様子見程度しかない。
「うん、本当に暇だな。何か趣味でも作るべきか」
一応趣味といえば、美味い料理を食べる事だが……今からどこかに何か食べにいくのも、面倒臭いしな。
そんな訳で、空間倉庫の中から取りだしたパスタを食べる。
ボロネーゼとかいうパスタらしいが、正直俺にとってはミートソースとどう
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