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ヘタリア大帝国
87部分:TURN9 ドクツ動くその二
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TURN9 ドクツ動くその二

「そしてそのうえで!」
「そうよ。戦いに勝ち」
「欧州の統一を!」
「それを果たすのよ。ゲルマン民族の生存圏確立と」
「世界新秩序を!」
「それを築くのよ。世界は総統により治められるようになるのよ!」
 そこまでなるというのだ。
「あの方の手によってね!」
「はい、その通りです!」
「我が国に総統がおられる限り!」
 グレシアもだ。波に乗って語る。
「我がドクツが敗れる要素はあるかしら!」
「ありません!」
 少年は直立不動になって断言した。
「総統がおられる限り!」
「そうよ。今それがはじまるのよ!」
 左手は腰に当てたままでだ。右手は高らかに肩の高さで肘を曲げて横に掲げてみせた、グレシアの得意の姿勢になってだ。そのうえでの言葉だった。
「ドクツの栄光の歴史が!今ね!」
「そうだ、今からだ!」
「今からはじまるんだ!」
「レーティア総統万歳!」
「ドクツに栄光あれ!」
「進め統一帝国!」
 グレシアは熱狂する国民達にさらに言う。
「進め第三帝国!私達の進撃は今はじまったわ!」
 こう高らかに謡いだ。グレシアは国民達を鼓舞するのだった。これは事実上のエイリス、そしてオフランスへの宣戦布告だった。この演説が終わり。
 質素な、まさに本棚と執務用の机に椅子、そして応接用のソファーとテーブルしかない席においてだ。レーティアはグレシアにだ。こう言っていた。
「演説は終わったな」
「ええ、凄くよかったわよ」
「私達の宣言は終わった」
 レーティアは己のその席からだ。目の前に立っているグレシアに語る。見れば部屋の絨毯もカーテンも質素なものだ。大国の総統のものとは思えない。
 そこでコーヒーを飲みつつだ。レーティアは言うのだ。
「それでは後はだ」
「そうよ。戦争の準備はもうできているわ」
「まずはポッポーランド侵攻だ」
「そして、ね」
「北欧、東欧だな」
「ギリシアまで侵攻しましょう」
「予定通り一気にだ。まずはポッポーランドにはマンシュタインとロンメルを送る」
 二人の名前が挙げられる。
「彼等なら何もなく攻略できる」
「そうね。あの二人に貴女の開発した兵器があれば」
「そしてドクツの精兵がいる」
 彼等の存在についてもだ。レーティアは言及した。
「これだけの要素が揃いしかもだ」
「ポッポーランド側は私達を甘く見ているからね」
「油断している相手程戦いやすい相手はいない」
 レーティアはポッポーランドについては素っ気無かった。
「だからあの二人には勝てる」
「そしてだけれど」
「ポッポーランドで勝利を収めればすぐにだ」
「北欧、東欧ね」
「北欧連合にはポッポーランドからそのままマンシュタインとロンメルを送る」
 そちらにはだ。彼
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