ペルソナ3
1896話
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よくあるパターンだしな。
ともあれ、ニット帽は一切油断する様子は見せず、左右に頭を振りながら近づいてくる。
にしても、ボクシングか。せめて真田くらいの強さでもあればともかく、この程度の腕前じゃな。
構えを見た時点で、ニット帽がどれだけの腕を持つのかというのは大体理解出来た。
本人は自信があるのだろうが、真田には到底及ばないだろう技量。
……たまにはこういう奴に付き合うのもいいか。
こいつらがどんな条件で俺に絡んできたのかは分からないが、その思い上がりをへし折るという意味ではこれ以上の事はないだろう。
俺の隙を窺っているニット帽に向かい、1歩踏み出す。
それを見たニット帽が一瞬ビクリと動きを止めたが、それでもすぐに再び頭を振り続け、こちらの狙いを定めさせないようにしたというのは、褒められるべき事だろう。
だが、そのまま俺が1歩、2歩、3歩と無造作に向こうに近づいていくのを感じると、向こうも我慢出来なくなったのか、やがて拳を繰り出してくる。
格闘技の中でもトップクラスの速度を持つ攻撃、ジャブ。
ボクシングの基本とも言われる攻撃だったが、基本だけに極めるのは難しい攻撃だ。
その鋭いジャブが俺の顔目がけて飛んでくる。
ニット帽にしてみれば、自分の一撃で俺の機先を制するつもりだったのだろう。
だが、生憎と……幾らトップクラスの速度を持つ攻撃であっても、俺の目にはしっかりと見えていた。
そうして見えていた攻撃を回避し……そして、横を通り抜けざまに鳩尾に向かって拳を埋める。
それだけで、ニット帽は意識を失い、地面に崩れ落ちるのだった。
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