ペルソナ3
1896話
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一気に前に出てこっちを殴りつけようとして近づいてくる。
だが、喧嘩慣れはしているのかもしれないが、所詮はその程度でしかない。
また、パンチも腕だけで放つパンチで威力も速度も問題外と呼ぶに相応しい。
1歩後ろに下がるだけで、取り巻きの男の放ったパンチは、あっさりと空を切る。
その一撃を回避した後、勢いを付けていた為だろう。一瞬バランスを崩した男の足を軽く刈り取り、地面に転がす。
男の服装が土に塗れたのを見ながら、そのまま軽く蹴る。
鳩尾を蹴られた男は、それだけで意識を失い、地面に寝転がる事になった。
「で? 次は誰だ? 1人ずつだと面倒臭いから、出来れば全員纏めて掛かってきて欲しいんだがな」
俺のような、見かけだけでは到底強そうには思えない奴に馬鹿にされたのが許せなかったのだろう。他の取り巻き連中も、一斉に襲い掛かってくる。
「あ、おい。ちょっと待て!」
ニット帽だけがそう言って止めようとしているが、ボス格の男の言葉も聞こえない程に怒っているのか、全く気にした様子がない。
だが、ただでさえ実力で圧倒的に俺に劣っている連中が、頭に血が上った状態で俺をどうにか出来る筈もない。
結局のところ全員が地面に倒れる事になるのに、そう時間は掛からなかった。
「……化け物か、てめえ」
ニット帽が、俺を見てそんな風に呟く。
まぁ、このニット帽も不良としてはある程度の強さを持ってるんだろうが……それはあくまでも喧嘩レベルだ。
極端な話、今こうして地面に倒れている取り巻きの男達全員が一斉に攻撃を仕掛ければ、ニット帽が勝つというのは不可能だろう。
もっとも、それはあくまでも真っ正直に戦えばの話だ。
頭を使って1人か2人ずつしか戦えないような場所におびき寄せるとかが出切れば、また話は違うだろうが。
ともあれ、普通の人間であれば相手が1人や2人ならともかく、3人、4人となると勝つのはまず難しい。
それをあっさりと覆した俺は、ニット帽にとっては、言葉通り化け物といった風に見えてもおかしくはないのだろう。
「よく分かったな」
適当に誤魔化そうと思ったが、何となくそう言ってみたくなってそう告げる。
まぁ、混沌精霊としての俺の姿を見せれば、間違いなく化け物と呼ぶのは間違いないんだし、そう考えればニット帽の言葉もおかしな話ではない……と思う。
だが、当然今の俺の姿でそんな事を言っても、向こうはそれを本気にする筈もない。
いや、寧ろ俺の言葉で改めてこっちを敵として認識したらしく、鋭い視線を向け、構える。
拳を握り、胸の前で自然と構えるその姿は……恐らくボクシングか何かの経験者といったところか。
習った格闘技を喧嘩に使うのはどうかと思うが、不良がボクシングをやるってのは、
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