ペルソナ3
1896話
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それでいながら俺はニット帽の男を怖がっている様子はない。
最初から俺を口だけの弱い奴と決めつけている他の奴に比べると、それなりに用心深いらしい。
ともあれ、こうして男が何人も固まっており、ましてやその大半が見た目から不良と分かると、周囲を歩いている者達もじっとこっちを見てくる。
今はまだ俺の知り合いは誰もいないが、このままここにいる時間が長くなれば、俺を見て誰なのか気が付く奴が出てきかねない。
ただでさえ、俺は何気に月光館学園ではそれなりに顔を知られている。
特に、今朝はゆかりと桐条の2人と一緒に登校した事で、かなり噂されたし。
そう考えると、あの三人の女達は俺の事を全く知らなかったのは……正直、どうなんだろうな。
それとも、知ってて知らない振りをしたとか?
まぁ、どのみち何が出来る訳でもないし、それはそれでいいか。
そんな風に考えながら、俺は男達と共にコンビニから少し離れた場所にある空き地に移動する。
こうも都合よく空き地とかがあるのかと思ったが、実際にこうして空き地があるのを思えば、何らかの理由があるのだろう。
月光館学園からそれ程離れていない場所なので、店とかあってもそれなりに流行りそうな場所に思うんだが。
ともあれ、ニット帽の男は俺を案内するように先頭を、そして他の取り巻き達は俺が逃げないようにと周囲を囲みながら移動する。
俺が特に騒いだりする様子がなかった為だろう。学校帰りの他の学生達から集中して見られるような事はなかった。
そうして空き地に到着すると……ニット帽の男が俺と向かい合う。
その取り巻きの男達も、ここまで来ればもう俺が逃げられないと判断したのだろう。俺の側から離れ、ニット帽の男の周囲に立つ。
「まさか、殆ど抵抗もしないままについてくるとは思わなかったな。まぁ、こっちとしては助かったけどよ」
「別に逃げる必要はないだろ? お前達程度の相手から逃げるなんて真似をしなきゃいけない程、弱いつもりはないし」
「んだとこらぁっ!? ナギさん、舐めてんじゃねえぞ、こらぁ!?」
ニット帽の男と話していると、その取り巻きの男がそう叫ぶ。
どうやらナギってのがニット帽の名前らしい。まぁ、あだ名というか、通り名というか……そんな感じなんだろうが。
にしても、ナギか。まさか名字がスプリングフィールドとかそういうんじゃないだろうな?
ふと、ネギま世界での出来事を思い出しながら、そんな事を考える。
「お前達みたいな汚い奴を舐める訳がないだろ? 食中毒になってしまうし」
混沌精霊である以上、食中毒とかそういうのにはならないんだろうが……それでも、こんな連中を舐めたいとは思わない。
「っ!? ざっけんなこらぁっ!」
その言葉に怒ったのか、取り巻きの男は
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