第3章 リーザス陥落
第103話 魔人の誘い
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ているからこそ、強くそう感じてしまうのだろう。
如何にこれまで戦い、勝つ事が出来たのは間違いではないが、相手は人間。魔人とは極一部と戦っただけに過ぎない。
此処から先に待ち構えているのは、待ち構えている敵は もう魔人しかいない。
全力の魔人。……そして、最凶の存在のみだ。
「………皆、止まれ」
先頭にいたユーリが手で皆を制した。
いや、制するまでもない。既に全員が気付いていたから。その先にいる者達。
人外の者達を。
「ここまで到達するとは 本当に……見事です。人の身にしておくには惜しい程に……」
現れたのは長い金髪と漆黒のマントを靡かせた男。
そう、魔人――アイゼル。
「アイゼル!!」
志津香は直ぐに構えたが、それよりも先にユーリの方が早かった。
「全員下がれ!!!」
剣を素早く構えて、アイゼルに向かって飛ぶ斬撃を撃ち放つ。
魔人には無敵結界が存在するのは最早全員が知っている事だ。こちら側の攻撃は一切通用しない。つまり数の利も一切通じないのだ。加えてアイゼルは 洗脳術のスペシャリスト。この場に集っている仲間達は 全員が死線を乗り越えた手練れたちであり、最強の仲間達だ。
簡単に洗脳を受けたりはしないが、それでも ただの1人でもアイゼルに堕ちてしまえば最悪の事態にもなりかねない。
アイゼルの結界は《視た》が、この攻撃はただの攻撃。ただの牽制だった。
それはアイゼルも十分判っている様で、手に持った剣を振るい、その攻撃を防ぐ。結界を使ったりはしない様だった。それはユーリの技能を警戒しての事、と判断したのだが……違った。
「よしなさい。……私は、あなた達をどうこうするつもりはありません……」
アイゼルは、ユーリの剣を防いだ後 再び剣を鞘へと戻した。
「……そんなの、信じられると思っているの……?」
アイゼルとの戦いを目にしている志津香は当然ながら信じられるはずはない。
魔法使いである志津香が前衛に。トーマや清十郎、リックの隣にまで上がってきていた。
「……確かに貴女が信じられないのも無理はありません。しかし、これは本当の事です。私にはあなた方とこれ以上争うつもりはありません」
「ふん。……魔人、アイゼルよ。お主が従えている使途どもが姿を見せておらんが、それだけでも策をろうじているとしか思えんぞ」
「流石……。醜いヘルマン軍の中で唯一と言える星……、人類最強に恥じぬ男、トーマ・リプトン ですね。魔人を目の前にして、周囲を見る眼は素晴らしい。……本当に良い観察眼です」
アイゼルは、指を鳴らした。
すると、何処からともなく、赤、青、黄の色を持った少女たちが姿を見せ
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