第3章 リーザス陥落
第103話 魔人の誘い
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無さそうだ。
「むぅ……。この手の結界はワシも見た事がある。恐らく反応しないのは人体のみ。装備は全て外さねば歩けぬと言う事だろう」
「はい。その通りです。……マリス様より聞いた話によると、ここから先、到達する為には あの聖武具を使用する必要がある、と。使用者を先頭にして進む事で、後者は 進む事が出来る。……勿論、衣類の全てを脱ぐ必要がありますが……」
「「「ッッ!!!」」」
「……さ、流石に私も恥ずかしいですね……」
「そうですか? 私は構いませんが」
「わ、わぁ! クルック―さんっ! ぬ、脱がないで……っ!」
全裸になる必要がある、と知った途端に 一気に顔を紅潮させる女性陣と、ニヤニヤ笑う女性陣、ここから先防具無しで進むのは危険すぎると 危機感を募らせる男性陣、と綺麗に分かれた。
だが、1人だけ――違った。
「問題ない」
その1人……そうユーリは そう一言いうと、剣の柄を握りしめ、やや前傾姿勢を取り、構えた。それが抜刀術の構えである事は誰もが理解できるだろう。神速の剣技を何度も目の当たりにしてきたから。
「煉獄―――斬魔」
放たれた居合の一閃。
この業は 斬魔と銘打っているが実の所《斬魔》と《居合》合わせ業である。
時間を掛け、力と気を込める事で更に効果が見込める。更にユーリ自身の技能も相余り、魔法であれば余程高度な結界でもなければ破れなくは無いのだ。
ユーリ自身のレベルも上がっている為に出来た芸当だと言えるが。
一閃は 光に真一文字の筋道を入れ、瞬く間に霧散した。
「お見事」
「流石だ」
「……末恐ろしいとも言える、な」
男性陣。リック、清十郎、トーマの3人は 破る事は判っていたのだが、いざ目の当たりにしたらそう思わず口にしてしまうのも無理はないだろう。
「オレに無いものをお前達は持っている。……その逆、お前達が持っていないものをオレが持っている。それを存分に活かしただけだ」
軽く言うが、結界を 魔法を斬り割く業を持つのは世界を見渡しても ユーリ1人しか知らない。特に年季が違い、世界中で戦い続けた歴戦の猛者であるトーマでさえ知らない業なのだ。そして――最も長い歴史を持つハンティでさえ知らない。
だから、どれだけ謙遜してもある意味無駄です。はい。
勿論、ユーリ自身も自覚してるから ある程度は受け入れている。大っぴらに誇示をしたりはしないが、それでも必要とあらば 先頭にだって立つ。
「……行くぞ」
ユーリを先頭に、光の消えた結界の道へと突き進んだ。
歩を進める毎に重く感じるのは決して気のせいではないだろう。
此処から先に待ち構えている者の強大さ、……凶悪さを見なが知っ
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