第三章 初陣
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いた?最近うちが練習してないの、というか吹けなくなったんや」
「吹けない?」
「そう、2週間前くらいから左頬に違和感があってな、それで病院行ったら顎関節症って診断されたんや、それでドクターストップ」
「それなら他のパートに移るとか…例えばパーカッションとか」
「それ滝先生にも言われたけど今から転向してもそんな付け焼刃じゃオーディションに受かる気なんてせえへんし…ただでさえトランペットでも怪しいのに…まぁうちはこれで良かったと思ってる、元々マネージャーみたいな影から支援する方が向いてたし好きやから」
「そっか…このこと知ってるのは他には?」
「この3人だけや、みんなにはサンフェス終わった後に報告するから」
「わざわざ時間取らせてごめんな」
「いや、教えてくれてありがとうな」
「じゃ、うちらは帰るから、お疲れ!」
「お疲れさん」
ファミレス内
「と、言うわけや……」滝野先輩が話しきる。
「俺らこれ聞いてよかったんすか?」秀一君が心配そうに聞く。
「おまえらがみんな言え言え言うからやろ!絶対周りに喋んなよ、俺ら一心同体やからな」
こうしてサンフェスが終わるまで男子部員は一蓮托生となった。
サンライズフェスティバル当日
「自分の楽器を受け取った人は音出し始めてください。ここの広場が待機場所なので、勝手に行動しないように、ほかの学校もいるので迷惑のかからないように気をつけてください」吉川部長が仕切っている。
「今年は立華、北宇治より先やから演奏見れへんなぁ…緑めっちゃ楽しみにしてたのに」
「立華とは演奏会で一緒になることもあるし、そんなに落ち込まなくても」
久美子先輩と川島先輩がそんな会話をしていると
「久美子!」
不意にかけられた声に久美子先輩は顔を上げる。声の主は同じ中学の先輩だった佐々木梓先輩だ。先輩は中学の頃からリーダーシップのある人で多分友達も多い。
「今日会えるかなーって思ってたけどまさかここで会うとは。あっ!神木君だっけ?北宇治行ったんだ〜緑ちゃんも久しぶりやね」そう言って笑った。
「どうもお久しぶりです」
「久美子も先輩やねんな、久美子ってば昔から舐められやすいタイプやから心配やわ」
「いやいや、今は大丈夫だよ。梓だって先輩でしょ?大丈夫なの?」
「まぁボチボチやな、それより今日は龍聖も来るっていうから楽しみやねん」
「なんで龍聖?知り合いでも行ったの?」
「そんなん気になるに決まってるやん、龍聖は今年のダークホースって噂やし」
「そうなんだ?」
「だって今年からあの源ちゃん先生が特別顧問なんやで?絶対上手くなってるやろ、あっ!そろそろスタンバイせんと、じゃあ行ってくるわ!お互い頑張ろな」
「うん、ありがと。梓も頑張ってね」
本番直前
「今年もこの日がやってきましたね
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