第三章 初陣
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やろ?」後藤先輩は呆れていた。
「やかましいなぁ〜、なんでこうトランペットパートは怖いやつしかおらんのや、吉川なんて女子高生の皮被った鬼やぞ鬼!」
「へ〜!誰が鬼やって?」その声を聞いて空気が凍った。だが滝野先輩は気づいていない。
「だから吉川だよ吉川!どうしたんだよみんな俯いて……あっ」
「ごきげんよう、男子諸君!仲良くて何よりやなぁ?」
「どうも〜」後ろから加部先輩がひょこっと現れる。
「あ、あの〜い、いつからそこに…」
「あ?アンタらが店来た時からや、別にいちいち顔出すつもりなかったんやけど、どっかの誰かさんがうちの悪口言うてるの聞こえてきたもんやから、つい」その笑顔万点が悪魔のように見えた。
「今から謝ったら間に合いますか…?」滝野先輩は滝汗を流している。
「う〜ん、残念。今決めたで!アンタを今後一生いびり散らかしたるってな」
「ご愁傷様」後藤先輩が小さい声で哀れんでいた。
「まぁええわ、滝野ちょっと顔貸し」
「え?何?俺いじめられんの?」
「ええから来い!」
「はい…」
「悪いけど10分、20分借りるわ」そう言って吉川部長、加部先輩、滝野先輩がファミレスの外へ出て行く。
15分後
外から帰ってきた滝野先輩はなんだか浮かない顔だった。
「どうでした…?」宗人は恐る恐る聞く。
「ん…あぁいや別に…いじめられてただけや」
「嘘やろ、吉川、ああいう性格やけど人の嫌がることはせえへんやろ?何か話しにくいことか?」後藤先輩が何か察したのか真剣な顔つきで聞く。
「相変わらず鋭いな…」と言い周りを見回して小声で言った。話すかどうか少し考えて
「これから言うことは超機密事項な!これ俺が広めたなんて知られたら今度こそ俺の人生が終わる、約束できるか?」
みんなが一斉に頷く。
15分前 ファミレス前
「なんや、急に…確かにさっきのことは悪かったけど…でも吉川そんなことでいちいち呼び出すようなやつじゃないってのは分かるから、なんか大事な話があるんやろ?」
「なんや勘付いてたんか、いやさっきのは一生許す気ないけどな?腐ってもアンタも一応同じ3年のトランペットやから耳に入れておこう思ってな。ええか?友恵」
「はぁ…まあええよ」
「実は、うちらがここにおったんは友恵から相談受けてたからなんや」
「それで?」
「友恵が奏者を辞める…」
「は?なんだよそれ…この時期に?もうすぐサンフェスもオーディションもあるんやで?冗談は寝言だけにしてくれや」
「……………」
「優子、ここからはうちが説明するな」
「ごめん」
「あんな、別に奏者辞めるってだけで部活は辞めへんで、マネージャーに転向するつもりなんや。先生にもちゃんと伝えてるし」
「なんで…今年はコンクール出るって言ってめっちゃ練習してた…あっ」
「気づ
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