~False accusation of I・U - 862 years~
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らしながら歩いていく。ちょっと意外だな。こっちにはオフィスビルしかなかったハズだが……どこに行くつもりだ?
「ここよ」
「新宿警察署……?」
「そう。入るわよ」
―と言われ、入った場所は……留置人面会室。2人の管理官に見張られながらアクリルの板越しに出てきた女の人に、少し見覚えがある。
たしか……アリアのガバメントのグリップに、埋め込まれていたカメオ。それに彫刻されていた、アリアによく似た女性だ。
柔らかな曲線のロングヘアー、オニキスのような瞳―
「まぁ……アリア。この方、彼氏さん?」
「ちっ、違うわよママ」
俺を見て少し驚いたような―でもおっとりしたような声を上げたその人は……アリアの母親、だろう。
…………若いな。年の離れたお姉さんって感じの。
「じゃあ、大切なお友達さんかしら?へぇー。アリアもボーイフレンドを作るお年頃になったのねぇ。お友達さえ作るのが下手だったアリアが、ねぇ。ふふ……」
「違う。コイツは如月彩斗。武偵高の生徒で―そういうのじゃないわ。絶対に」
「…………彩斗さん、初めまして。わたし、アリアの母で―神崎かなえと申します。娘がお世話になってるみたいですね」
「あぁ、いえ……そんなことないですよ」
「別に気を使わなくても良いのよ?仮にも母親なのだから、そのくらいは分かるわ。どうせギャーギャー騒いでるんでしょ?」
「そういう時もありますね」
俺の回答にイラッとした顔をしたアリアは―
―「ママ。面会時間が3分しかないから、手短に話すけど……コイツは武偵殺しの3人目の被害者なのよ。先日、武偵高で自転車に爆弾を仕掛けられたの」
「…………まぁ…………」
アリアの母…かなえさんが表情を固くする。
「さらにもう一件、一昨日はバスジャックが起きてる。ヤツの行動は、急激に活発になり始めてるの。
てことは、もうすぐシッポも出すハズだわ。だからあたし、狙い通りまずは『武偵殺し』を捕まえる。ヤツの件だけでも無実を証明すれば、ママの懲役864年が一気に742年まで減刑されるわ。最高裁までの間に、他もぜったい、全部なんとかするから」
「そして、ママをスケープゴーストにしたイ・ウーの連中を、全員ここにぶちこんでやるわ」
「アリア。気持ちは嬉しいけど、イ・ウーに挑むのはまだ早いわ―『パートナー』は見つかったの?」
「ここにいるわ」
とアリアが俺を指差す。
「…彩斗さん。アリアの才能は、遺伝性のもの。でも、アリアには一族の良くない一面―プライドが高くて子供っぽい、その性格も遺伝してしまっているの。そのままでは、アリアは自分の能力を半分も発揮できない―」
「―だから、アリアを理解し、アリアと世間を繋ぐ橋渡しになるよう
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