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ヘタリア大帝国
82部分:TURN8 レーティア=アドルフその六
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TURN8 レーティア=アドルフその六

「わしの全ては帝、そして祖国殿に捧げているがだ」
「それでもですか」
「あの方は」
「素晴らしい。我が日本帝国もだ」
 祖国もだ。どうかというのだ。
「今のドクツの様になりたいものだな」
「そうですね。是非共ですね」
「ドクツの様に」
「中帝国だけではない。近頃ガメリカも圧力をかけてきている」
 宇垣は周りを見た。見ればだ。
 黄色や青の軍服の者達もいる。それぞれ中帝国、ガメリカ共和国の者達だ。
 そしてガメリカの者達の中にいるやや褐色の肌に紅い髪と蒼い目の背が高く見事な胸の女を見てだ。こう周りの者に囁いたのだった。
「あの女だが」
「ハンナ=ロック国務長官ですね」
「ガメリカの外交と内政のトップです」
 すぐにだ。周りが宇垣に答える。
「そして四姉妹のリーダーです」
「ガメリカ四大財閥の一つロック家の令嬢ですね」
「そうだったな。あの女も来ているか」
 そのハンナを見ながらだ。宇垣は眉を顰めさせて言うのだった。
「いけ好かない女だ」
「ガメリカの対日強硬路線の頭目ですしね」
「大統領、そして彼女の祖国の全幅の信頼を得ているそうですが」
「それでもやはり」
「嫌な相手ですね」
「全くだ。我が国は戦いたくはないのだ」
 宇垣は嫌々といった感じの顔で述べた。
「それなのに我が国を好戦的と断定してきてだ」
「圧力をかけてきますからね」
「また色々言ってきております」
 外交官達は宇垣に言ってきた。
「関税自主権を下げろと」
「そして聞き入れない場合は三百一条を出すと」
「あんなものは断ったわ」
 宇垣は忌々しげに答えた。
「あんなものは認められるか」
「しかしそれによってです」
「ガメリカの対日感情はさらに悪化しました」
「今では悪の国呼ばわりです」
「どうしたものでしょうか」
「やり方はある。実はだ」
 ここでだ。宇垣は確かな顔になり周りに答えた。
「既にゲッペルス宣伝相と会見を行ったのだ」
「あのドクツの懐刀の」
「あちらにいるあの方と」
「既にですか」
「この演説であることが発表される」
 宇垣は言う。
「わしとて考えがある。もっとも帝、そして伊藤首相と打ち合わせをしたうえだがな」
「ううむ、外相も中々ですな」
「やられますな」
「腹芸や小細工は苦手だ」
 少なくとも宇垣には向いていなかった。これは自他共に認めることである。
「しかしそれでもだ」
「果たすべきことは果たす」
「そうしないといけないのですね」
「そうだ。わしはそれを果たす」
 公僕としてだ。宇垣は言った。
「それだけのことだ」
「だからですか」
「ゲッペルス宣伝相とも会われ」
「そのうえで手を打たれたのですか」
「これでかな
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