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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第三十八話 エヴァンゼリンの危機
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雰囲気にだんだん不安になり泣きそうな顔でウォルフ様のお顔を見続けていました。

お父様がウォルフ様に真剣な表情で何か仰っています、
お母様が頷いて、其れを見たウォルフ様はとて悲しそうな顔なさいました。

そうしているうちに、玄関のベルが鳴り響いたのです。


■オーディン ライニッケンドルフ地区   ロベルト・ミッターマイヤー

 私は造園技師。自慢じゃないが、腕は一流だ、
この階級社会腕に職を付けて働いた方が遙かに良いと、
この世界に飛び込み早20年今じゃ町の金持ちや貴族からも仕事が舞い込む様になった。

私には息子がいて今年20歳だが私と同じように職人になってもらいたかったのに、
よりによって職人は職人でも職業軍人になっちまった、
軍人になると聞いたときはガッカリしたね、期待していたんだよ親子で庭を造ることを。

そうこうしているうちに、新しい家族が増えたんだ。
別に子供が生まれた訳じゃない親戚の子供が1人になったから引き取ったんだ、
エヴァンゼリンて言って可愛い12歳の少女だった、
 
私も妻も娘が欲しかったから、愛情を込めて接したんだ、
エヴァンゼリンも私たち夫婦に大変なれてくれて、
実娘と思えるんだよ。

息子のウォルフが初めてエヴァンゼリンと会ったとき絶句していたが、
私から見ればあれは恋したなとおもったものだ。
少しずつ近づいていく2人を見てほほえましくも焦れったく思えたものだ。
妻もウォルフと娘は結婚すると言っていた。

その平穏な日がいきなりの地上車の音でかき消されつつあるとは、
私もグリューネワルト伯爵夫人の話は知っている、
貴族や上流市民の間では有名な話だから。

何たって夫人の弟が乱暴者で何人ものけが人を出して時には石で殴るって可笑しいだろう!
その度に伯爵夫人の懇願で皇帝陛下が不問にしてるって言うんだからどうしようもない。
息子も同じ話を後輩から聞いたらしい。

俺もお得意さんから茶飲み話で聞いていたんだが
余りに目に負えない状態で心配した連中が、
新たな寵姫を見つけようとしていると聞いていたが、

まさか家の娘がそのターゲットになるとは夢にも思わなかった。
青い顔をする妻と娘と息子そして俺もきっと顔は青いだろう、

何とか出来ないのか、息子が思い詰めた表情をする
亡命か、しかし寵姫を断り亡命など中々出来るはずがない。
皇帝陛下の横っ面を張り倒して逃げるようなものだ、

草の根分けても探されて不敬罪と反逆罪で処刑だろう。
恐らく息子は4人で逃げる事を考えているんだろう、
しかし無理だ俺は息子に『ウォルフ2人で行くんだ』と言い、

妻を見ると妻も頷いていた、済まんなお前と共に死ねる事だけが最後の幸せだ。
息子よ娘よ新天地で幸せ
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