第三十八話 エヴァンゼリンの危機
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になった年齢と同じだ。
宮内省の役人がエヴァの噂を聞きつけて奪いに来たのか!
台所にいたエヴァもお袋も俺と親父の異様な雰囲気が判ったのか心配そうに覗いてくる、
馬鹿エヴァ顔を出すな!隠れていてくれ!
俺は叫びたくなった、エヴァが奪われる俺が誰より愛しているエヴァが遠くへ行ってしまう!
お袋は俺と親父の顔を見てそして外を見て驚愕の表情をしている、
エヴァはいきなりの事で未だよく判らないようだ、
あの事件の時エヴァは未だ子供だった詳しくは知らないのだろう、
頼むエヴァ直ぐに部屋に逃げ込んでクローゼットに隠れてくれ!
俺はそう叫びたかった。
親父も同じような顔をしてエヴァを見ている。
お袋はエヴァの腕を握りしめ真っ青な顔をし始めている。
この異様な雰囲気にやっと解り始めたのか、
エヴァの顔から笑顔が消え、俺に縋るように泣き顔になっていった。
エヴァが連れ去れれるなら、
何もかも捨てて叛徒の元へ亡命してでもエヴァを守る!
俺は最早そう考えるようになっていた。
4人での逃避行だ無事たどり着けるか判らない、
親父が悟ったように『ウォルフ2人で行くんだ』と俺に言ってきた、
お袋も同じように頷いている、
親父とお袋を捨てて俺たちだけで逃げる訳には行かない、
きっと2人とも不敬罪で処刑されるだろう、
そんな薄情な真似は出来ない、逃げるなら4人一緒だ!
そうしているうちに、玄関のベルが鳴り響いた。
■オーディン ライニッケンドルフ地区 エヴァンゼリン・ミッターマイヤー
母が亡くなったあとたった1人で育ててくれた父が戦死し一人ぼっちになった私を親戚のお家で引き取ってもらえるなんて嬉しかった。
新しいお父様もお母様も凄く優しくて、本当の両親のように慈しんで頂いた。
ウォルフ様にお会いしたのが12歳の時ウォルフ様が士官学校のお休みでお家へ帰ってきていらっしゃった時でした。
あの日以来私はウォルフ様に恋していたのです。
ウォルフ様とお会いするのが何時も楽しみでした。
けどこんな日が来るなんて・・・・
ウォルフ様が新年休みでご帰宅なさると聞いてお母様と腕によりを掛けて料理を作りました。
ウォルフ様もお父様も喜んでくれて凄く嬉しかったです。
新年をウォルフ様みんなと楽しく過ごしていた、
1月3日朝台所で朝食の準備をしていたとき、
家の前に止まる地上車の音を聞いたのです。
何かと思ってお母様と覗くと、
ウォルフ様とお父様が真っ青な顔をして此方を見ているのです、
私はいったい何が起こったのかさっぱり判りませんでした。
ウォルフ様もお父様も私に何か言いそうな雰囲気で、
お母様は私に腕をギュッと握ってその手が震えています。
私もその異様な
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