ペルソナ3
1895話
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もりはない。
そしてこうして見ている限りでは、苛められている女は特に何か言い返す様子もなく、ただ黙っているだけだ。
本人がそれで十分だと満足しているのであれば、俺がここで手を出すのは寧ろ余計な手出しでしかない。
そう思った瞬間、いきなり俺の横で扉が揺れる音がする。
何の音だ? と視線を向ければ、そこでは友近がやってしまった……といった表情を浮かべている。
どうやら中の様子を覗き見るのに集中してしまった結果、扉に触れてしまったのだろう。
そして当然のようにそのような音が響けば、教室の中にいた者達に聞こえるのは間違いなく……
「誰よ!」
3人組の1人が、素早く音の聞こえた方……つまり俺の方に向かって近づいてきた。
どうする? と友近に視線を向けてはみたものの、友近の方はあまりに予想外の行動だったせいか、完全に動きを止めていた。
まぁ、タルタロスに挑むといったような経験をしている訳じゃないんだし、咄嗟に行動出来なくてもしょうがないか。
とはいえ、ここで友近だけを置いてこの場から立ち去る事が出来る筈もなく、結局俺は向こうがこっちにやって来るのを大人しく待つ。
そして次の瞬間、扉が強引に開けられ……俺達の前に、日焼けした女が姿を現した。
「あんた達、何見てんのよ!」
喧嘩腰の言葉だが、自分達がいじめをしている現場を見られたのだから、そうなってもおかしくはないか。
ともあれ、友近はいきなりの事で動けないようなので、代わりに俺が口を開く。
「何を見てるって? 下らない、低レベルのいじめの現場だが?」
「っ!? あんたねぇ、あたしにそんな口を利いてもいいと思ってるの?」
まさか堂々と下らないとか言われるとは思わなかったのか、女は一瞬戸惑うものの……やがて、次の瞬間には俺を睨み付けてくる。
「そんな口? どんな口だ? 俺は正直に思った事を口にしただけだが? どうせお前達のような低脳はそんな事くらいでしか自己主張出来ないんだろ? なら、その下らない行動でゴキブリ程度の自尊心でも満たしてろよ」
「っ!?」
俺の言葉を聞いた瞬間、反射的な行動だろう。女は俺の顔に向けてビンタを放ってきた。
だが、シャドウの攻撃よりも鈍いそんな攻撃で俺をどうにか出来る筈もなく、1歩後ろに下がれば、あっさりとその攻撃を回避する事が出来た。
カウンターを使っても構わなかったんだが、男女平等が叫ばれていても、何だかんだで男が女に手を上げるのは不味い。
そんな訳で手を出すような真似をしなかったが、今のビンタは女にとっても思い切り放ったものだったのか、回避されるとバランスが取れず、そのままよろける。
「どうした? 運動神経もないのに、そこまで頑張って大丈夫か? もうちょっと自分というのをきち
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