暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
413

[8]前話 [2]次話



 つれづれに

  眺めし空の

   しぐれしは

 涙に暮れて

    逢ふ由もなし



 然してすることもなく空を見上げれば…ずっと雨が降ったり止んだり…。

 彼はどうしているか…と、また性懲りもなく考える自分が虚しく…会えない今が寂しく…。


 夕にもなれば一層寂しさが増して、彼に会う理由も手段もない自分に…今度は悲しくなった…。



 月寒み

  雲ゐの下の

    風さへも

 恋しかりける

     心冷まさじ



 月さえも寒いのではないかと思う夜更け…月に掛かる雲の下に吹き抜ける風は、冬の冷たさを吹き付ける…。

 そんな風でさえ…私の想いを冷ますことなどないのだな…。


 彼への恋心は…冬の風でさえ、吹き消せるものではないのだな…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ