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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第67話 芸術を粉砕
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 そのころ、
 覚醒したモカは石神の髪の束を一本・・・また一本と力に任せながら千切り。
 数秒後にはモカに纏わり巻きついていた髪の全てを千切っていた。


「ぎゃあああああ!髪があァあ――――!! 私の髪が!!!!」


 石神は頭から血を流し、冷静さの欠片も無い表情で襲い掛かってきた。

「おのれっ・・・ おのれぇええ!! 芸術(アート)も理解できないクズがぁ!!! とっとと 石になれぇええ!!」

 白目を向けながら怒りの形相でモカに飛び掛った!!

「んなもん理解なんぞ出来るか!! したくも無いわ この悪趣味なサディストが!」

 忘れてもらっては困る、と言わんばかりに、カイトは身に宿らせた暴風を一点に集中させて石神へと放った。

 それは 今度は石神の吹き飛ばす事はせず、束縛した。モカやつくねが髪で縛られていた様に、今度は石神が縛られた。 そう――触れる事も出来ない風の縄で。



「ぐがあ!! く・・・そ!! なんだこれはーーー!!! おのれ!! オノレーーー!!!」



 その次に石神が見た光景。

 モカが踵落としをする寸前の光景だった。思い切り脚を上げての踵落とし。
 凡そ頭を蹴る……と言った様には感じられない程の轟音が周囲へと響く。

「が…… は………」


「どうだ? 自分が石にした蹴りの重みは?」

 モカが半分ほど石化している右足を叩きながら言ったが、聞こえてる筈もない。


 石神は頭から血を噴出しながら倒れていたから。
 それはまるで鯨の潮吹きの様に。

「ああ、あれは痛そうだ、メチャクチャ・・・」

 後ろにいたカイトも身震いするほどの威力である。それも自由を奪ったうえでの攻撃だから、オーバーキルも良い所だ。あれ程ムカついてた石神に同情さえしかねない程だった。

「……別に束縛する必要なかったかな?」

 とつぶやいたのだった。







「カイト……つくね……」

 カイトはつくねを背負いモカのそばまで来ていた。

「オレもつくねに助けられた。全く助けに来といて助けられてたら世話無い」

 石になったつくねに笑いかける。多分、今のやり取りはつくねには聞こえないだろうから、起きた後にもしっかりと礼を言おう、と決めたカイト。

「ああ。 つくねは蛇の群れに手を入れて私のロザリオを外した。並み大抵の度胸じゃ出来ない事だ」

 モカはつくねのそばまで来た。

「礼をいうぞ……。お前も成長してるようだな」
「はは。そのセリフさ、 起きている時に言ってやれよモカ。 これ以上無い誉れだと思うぞ? お前に言われるんだから当然だ」

 そう笑いかけるカイト。そしたら、やっぱりモカも照れく
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