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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第67話 芸術を粉砕
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の力なら、確かにそれも可能だと言う事は判る。……いや、仮に嘘だったとしても それを確かめる為にモカを危険にさらす訳にはいかなかった。

「……ちっ。何処までも下劣な野郎だ」
「失礼だな、キミは。私は野郎ではないよ。これでも女教師さ」

 優位に立ったのを感じた石神は余裕を取り戻す事が出来た様だ。



 それこそが最大の悪手だったと言う事に気付く事も知らずに笑う石神。



「君が私が距離を取ったのを黙って見過ごしたのが敗因だよ・・・ これだけ距離をとれば私の髪の方がケリを付けるのが速いぞ。 少しでも妙な動きを…… ッツ!!! グガアアア!!」
「ん?」

 カイトは、実は 優位に立てた事で、周囲の注意が疎かになっている石神の頭上に、でかいのを一発ぶつけようとしていたが、突然苦しみだした石神に驚いて攻撃を止めた。

 それと同時に・・・後ろから強大な妖気が発生した。


 それは忘れる筈もない。モカが覚醒された時に迸る闇よりも深い漆黒に包まれたかの様な妖気。




「ぎゃああああ!髪がぁ!!!いきなりなんだコレはーーー!!けっ 桁違いのパワー!!!一体っ・・・髪がッ たっ・・・耐え切れないぃぃぃ!!!」

 覚醒したモカのパワーを髪で抑えるには少々きついだろう。いや、絶対に無理だ、と言う事はカイトでも判る。何せ何度もあの力を込めた蹴りを受けたから。

 そう、つまりはモカのバカぢk「…………」 いえいえ違います。『力』の大妖と呼ばれるほどの力を並大抵の実力の持ち主じゃ防ぐ事は出来ない。

 防御体勢になってるカイトも本当に痺れていたから。明らかに本気じゃないのに。


 とりあえず 石神は苦痛で唸ってるから その間にカイトは倒れているつくね、そしてモカのもとへ向かった。


「モカ! つくね!」

 殆ど石化してしまったつくねだったが、その手にはしっかりとロザリオが握られていた
 そう石化して動けなくなる前に、モカからロザリオを外していたのだ。

「ひとり・・・で・・・きちゃ・・・ったけど・・・さ・・・ や・・っぱり役に・・・立ちたかった・・・からさ。何度も、なんども、たすけられてて……、せっとくりょく……な、い……か………」

 最後まで言えなかった。
 つくねは顔面まで石化してしまったから。

「つくね。 ありがとな。説得力あるって。偉そうに言ったのに、つくねに助けられた」

 倒れているつくねを起こすカイト。男に抱きとめられるのは、気分が良くないかもしれないが、少々我慢してくれ、とつくねに念じ 散乱した椅子の1つを起こして立かけた。



「ひいいいいい! 痛い痛いッッ!! か、髪が、髪がぁぁぁ!!! ちぎれるゥウゥウゥウゥゥゥ!!!!」
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