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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第67話 芸術を粉砕
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の蛇でつくねを攻撃しようとしたその時、突然の突風が石神の周囲に発生。一歩も動けない。いや 身動きさえ出来ない。


「な!! 何だ!? うわああァァァ!!?」


 意思がある様なその突風は、石神をその場からはじき出した。まるで巨大竜巻に弾き出される様に、窓ガラスを突き破って外にまで吹っ飛ばされたのだが。

「ちっ……、本体を吹っ飛ばしてもご自慢の髪はまだ巻きついてるのか。 たいそうな髪の毛だ」

 つくねより少し遅れて入ってきたのはカイトだった。

「「カイトっ!」」
「全く。事情を少しは話せよつくね。1人で突っ走ったって解決しない問題だってあるんだぞ?」

 ため息を吐きながら言った。
 周りを見えていない時のつくねは猪突猛進だと言う事はよく知っている。故に危険な事に巻き込まれる事が多いから。それを理解しているつもりだったが、結局のところ つくねはまた カイトに助けられたんだ、とも理解した。

「ごめ・・・ん・・・」

 だから、カイトに謝る。それを訊いて軽く笑うのはカイトだ。

「まあいい。謝罪貰いたい! って訳じゃないし。何より つくねが後先かまわず飛び込んでくれたおかげで、あの女に不意打ちできたしな。オレは、……やっぱし女は極力手を上げたくない。ああやって吹っ飛ばすならまだしも……な」

 カイトは 頭を掻きながら苦笑し。

「まあ とりあえず先にその悪趣味な髪を引っぺがそうか。気持ち悪いだろ?」
「おねがい、カイト!」
「うん!」

 そう言い2人に近付こうとしたその時だった。

 死んだように動きを止めていた筈の髪の蛇が突然動き出したのだ。
 そして、驚愕するつくねに ガブッ! と嫌な音を立てながら咬みついていた。

「ッ!! つくね!」

 手を伸ばすが、もう遅かった。髪蛇の毒、石化の毒はつくねの全身に回っていた様だから。

「ぁ……がっ……!」

 耐性が備わっている訳でもない人間であるつくねに その毒はあまりにも効果があり過ぎた様で、ショック症状を起こして床へと倒れ込んだ。

「女には……手を出したくないか。 随分優しいんだなぁカイト君。 でも その甘さが命取りだったみたいだね……?」

 髪が伝う先にいたのは石神だった。
 勢いよく外へと弾き飛ばしたので、その衝撃で気絶でも……と考えていた事が甘かったと痛感するカイト。


「……のびてなかったのか? はぁ オレの主義を曲げるのは嫌なんだが・・・・ そうも言ってられないようだな。悪いが、友達に危害を加えようとするヤツに男も女も無いぞ。……覚悟は、出来てるな?」

 カイトの周囲に、あの石神を弾き飛ばした時に発生した時の風とはくらべものにならない程の風が沸き起こった。いや、それだけではない
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