暁 〜小説投稿サイト〜
ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第67話 芸術を粉砕
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 つくねの行動と行方不明のコ、それらは 全部繋がった。そして つくねが向かった先も当然ながら。モカ絡みで美術室へと何度か向かおうとしていた事をカイトも知っているからだ。
 そこで、行方不明者の痕跡か何かを見ていたとすれば……? おのずと犯人も見えてくる。

「そういうこと、だったか。……ヤバイな。もう完全に忘れてるよ」

 そう呟くと、つくねに続きカイトも飛び出した。
 忘れている……と言うのは一体何の事なのか、この場の誰も判らないだろう。当然だが。


「あれれ?? わー、カイトまでどこに行くの?」
「カイトさーんー!」
「ってか 部活せーや 野郎共」


















 そして、場面は再び変わる。
 そこは美術室。……つくねが彼女(・・)を目撃した場所であり モカがいる場所。……そして、この事件の現況がいる場所だ。

「きゃああああああ!」

 放課後で誰もいない美術室で悲鳴が響く。
 その主はモカだった。

「きゅ、急にどうしたんですか石神先生っ!? かっ・・・髪が蛇みたいに・・・」

 石神は邪悪な笑みを、そして 己の身に潜ます邪悪を具現化させたかの様な気配……妖気を周囲に撒き散らしていた。その妖気と連動する様に、己の髪の形も変わる。モカが言う様に蛇の様に。……毒蛇の様に。

「実はね。さっきつくね君に少しまずい(・・・)ものを見られてしまってね。 おかげで君との楽しい時間ももう終わりにしなくちゃいけなくなったんだ。悪いねぇ」

 
 ガブッ!
 瞬時に伸びた髪の蛇がモカの左手に噛みつく。

「きゃああああ!」

 悲鳴を上げながらも、モカは決しに逃げようと地を蹴って美術室の隣の教員室へと飛び込んだ。
 そして、その先でまた絶句する。

 そこには、無数にある涙を流している石像があったから。

 それだけではない。


『シクシク シクシク シクシク シクシク シクシク シクシク・・・・・・・・・・・・・・・』


 その全てが涙を流しているだけではなく、嗚咽を漏らしていたのだ。

「な・・・何これっ・・・ 石像が生きているみたいに泣いてる!!?」

 モカには更なる衝撃が襲う。

「ううっ!!」

 左手に鈍い痛みを感じ その手を見てみると 変わり果てた自分の手を見てしまった。

「なっ……、うそっ 左手が石みたいにっ……!?」

 先ほど 噛まれた左手が変色していっている。皮膚の色ではなく無機質な物質。そう石化していっているのだ。

「それはメデューサの『石化能力』……私の蛇のような髪に咬まれた生物は皆石になるのさ。 やがて、君もそのコ達(・・・・)と同じように全身が
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