第四十二話 妹達の誤解その十五
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「確かに図々しくはないわね」
「そうしないといけないですから」
「気をつけてるのね」
「そうです、図々しいことをしたら言って下さいね」
こうも言ってきました。
「なおしますから」
「そこまで気をつけてるのね」
「はい」
本当に真面目な顔で言ってきました。
「宜しくお願いします」
「そういえば」
思い返すとです、阿波野君は確かに馴れ馴れしいっていうか私には随分近寄ってきます。ですがそれでもです。
別に厚かましいこともなくて詰所でも礼儀正しいです、言葉の調子も。そうしたことを思ってからあらためて彼に言いました。
「阿波野君って図々しくないわね」
「本当にそうした人にはなりたくなくて」
「だからなのね」
「自分でも気をつけてます」
「そうなの」
「はい、謙虚であれですよ」
私にこうも言ってきました。
「いつも気をつけてます」
「その親戚の人みたいになりたくないの」
「絶対に」
言葉の調子が強かったです。
「ああはなるまいって思っています」
「反面教師ね」
「そうなんです、あとヒスも起こさない様にしてますけれど」
「阿波野君そんなに怒らないでしょ」
「いえいえ、よく怒りますよ」
自分ではというのです。
「本当に」
「そうなの?」
「はい、そうですけれど」
「怒ってるの見たことないけれど」
「よくテレビとか漫画とか小説で怒ります」
そういうのを観たり読んだりしてというのです。
「そうしています」
「そうなの?」
「特に人生相談番組ですね」
よくあるそういう番組を観てというのです。
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