最終話 かくして現実は克服される
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録校が持ち寄って運用する。さらに以前から連盟に参加すると言われていた「中立高校」も、参加と同時に『ナイツ』の一員になると内々で伝えてきた。
もう彼女らは「かませ犬」ではない。群れをなし、連携して戦う狼の集団だ。
そして今年は継続を優勝させる。それが目標だ。
つぎはまた、第二回戦で黒森峰と当たる学校が優勝を目指すのだ。
高校戦車道がまともになるその日まで、鋼鉄の傭兵部隊の戦いは続く。
「風が言っている。『革命か、死か』と」
「もし私たちが巨象に刃向かうカマキリだというのなら、手の施しようのない中二病だというのなら、可能と不可能の区別が付かないドン・キホーテだというのなら」
「何億回でも答えよう」
「そのとおり! だとね♪」
ふたりは、声を上げて笑う。
そこに1両のタンクトランスポーターが現れた。
1両の駆逐戦車を搭載している。どこかで見たような車体の。
そのトランスポーターの助手席から、小柄な人物が降りてきた。
VIPがよく「入院」することで知られる東京の某病院から「退院」したばかりの、大学選抜の総司令官である。
そして、荷台から降りたTas駆逐戦車魔改造を、二人の女子高生に披露する。
当然のことながら戦車型より、いやそれ以上に背が低い。砲の取り付け位置が高いから俯角はとれなさそうだが、そこは運用だろう。何よりもショットトラップがない。
機関系はHSS&HL230P45パワーパック。脚はホルストマンサスペンション24輪。
そして主砲は……
「……これは、88mmL71(現計画では未定)」
「そう、ただし計画と違って最末期のKwk43p。105mmL7A1と同等の威力」
「じゃあ本当は、これにするために買ったの?」
「そうよ。設計図面は存在し、試作条項も車台が作られていたのだから問題ないわ。
もうすでに3両とも改造を終えて『レンタル』するんだけど、あなたたちにはそのうちの1両を売却するわ。特別に製造原価で大洗女子に譲渡してあげる。だから」
「だから?」
島田家継嗣は、サングラスの大尉に何か耳打ちする。
大尉に降格した誰かは、笑ってサムズアップを返した……。
どうやらこの二人の趣味に関することのようだ。
第64回戦車道全国高校生大会が、四強つぶし合いで終わるのか、それとももうひと波乱あるのか、まだ誰も知らない。
−Fin−
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