最終話 かくして現実は克服される
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と呼ばれる40mm砲。
そしてその先端には漏斗が引き延ばされたような先のすぼまった形状の、穴がたくさん開いたアタッチメントがついている。
元・ダージリンが言っていた「リトルジョン・アダプター」、ゲルリッヒ砲よりはるかに大量に使用されたポン付け口径漸減砲だ。
「これで超高速徹甲弾APSVを撃てば、初速は1,100m/sを超え、500m先の厚さ100mmの装甲板を打ち抜けるわね。ミカさん」
「しかし口径を絞るのが、実は空気抵抗を減らすためだったとはね」
「初速は弾の質量で決まってるの。だからアダプターには腔圧を逃がす穴がいっぱい開いていて、寿命を延ばしてる。
実際ゲルリッヒの2.5kgAPCNRもPak42の75mm4.5kg高速徹甲弾も初速は同じ。口径を減らせは、表面積はその二乗で減るでしょ。
空気抵抗もその分減って速度が落ちなくなって威力が増すというのが口径漸減砲の原理なの。
でもコスパは70口径75mmよりずっと悪い」
「しかしリトルジョン・アダプターなら、もともとある2ポンド砲はそのまま無改造でいい。
砲弾ももともとある高速徹甲弾をアレンジするだけ。この場合は、英国人の勝ちだね」
「でも最終的には、フランス人の発明した装弾筒に負けちゃったけどね」
「で、今度はその装弾筒付きAPDSを撃てるのもある」
継続の虎の子たち、寄せ集めのKV-1とT34/85、それとどこかのお下がりのW号J型にV突G型。だが、付いている主砲が異様だ。すべて同じもの。そしてKVと85にはあるはずがないマズルブレーキが付いている。
77mmHV砲。コメット巡航戦車が積んでいる、17ポンドの50口径砲身減装薬型だ。
「そしてこれからは、第二回戦で黒森と当たる学校に『義勇兵団』が『短期転校』で参戦する。
たとえそれが大洗の生徒であっても、大洗は「学校としては参加しない」のだからまったく問題はない。だいたい『短期転校』を認めたのは連盟理事長なんだから」
ミカは笑う。自分たちはこれからMBTまがいをそろえた「強ければそれでいいんだ。力さえあればいいんだ」というひねくれた戦車道に、大同団結して戦いを挑む。
わきにいる女生徒とともに組織した『エルネスト・ラファエル・ナイツ』が、これから四強に戦車道のなんたるかを教育するのだ。
四強の先代隊長たちは、高校戦車道がゆがんでしまったことを本当は悔いていた。
だから次代の者たちに裏資金と簿外品を託し、そしてミカはわざと単位を落として留年した。
試合に参加しない大洗の戦車倉庫は、これから自動車部と継続がこしらえた「安い戦車を創意と工夫でチューニングした魔改造戦車」の保管所になり、必要とされる学校に貸し出される。
その維持費は大洗だけではなく「四強」以外のすべての連盟登
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