最終話 かくして現実は克服される
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えればいいと思う。
大洗育ちは強いというのが定着すれば、皆ここの卒業生を競ってスカウトに来る。
大学チームやこれからできるプロリーグに選手をコンスタントに送り込めるようになれば、大洗もれっきとした戦車道の強豪よ。
また別に戦車道に進んでもらわなくても、なにかで一流の人材になる卒業生を輩出できれば、もう誰も大洗女子に手は出せない。これが「不敗」ということと思う」
それこそが、みほの戦車道。負けない戦車道なのだ。
ノースリーブサングラス女は、BT-42を見て感心しきりだ。
BT-42が15.55口径114mm砲に偽装していた主砲の中身は、Panzerwurfkanone10H64というドイツ製の対戦車砲だ。よく『10cmPAW1000』と呼ばれているが、実際の口径は105mm。砲身の肉厚は薄く軽量、そしてなんとライフルが切られていない滑腔砲だ。
薬莢部に現在でもグレネードランチャーで使われている「高低圧理論」を用い、少ない発射薬で105mm有翼安定成形炸薬弾を発射する。
クルップ社が開発していたこの兵器は終戦までに1門が完成しており、射程は1,000mで、垂直から60度傾斜した200mmの均質圧延鋼板を貫通した。
低反動のため大変軽量であり、砲架は50mm対戦車砲のものでよく、48口径75mmPak40対戦車砲が1.5トンあったのに対し、Pak10H64は1トン強しかなかった。
これは普通に対戦車砲として用いられるだけではなく、統制車両計画25トン駆逐戦車の量産型にそのまま主砲として採用される予定だった。なおこの「25トン駆逐戦車」は「設計完了、試作着手」に該当する。たとえ数枚の装甲板であっても。
他にもポルシェが計画していた「ポルシェ250重小型戦車」の主武装でもあった。エンジンは試作されているため、これもルールに該当する戦車である。
欠点は、初速の遅さ(600m/s)と、命中率だった。しかしライフリングがなく成形炸薬弾を撃つには理想的な砲であるため、カタログスペックどおりの威力を発揮できる。
ざっくり言えば、当たりさえすればマウスでも、中空装甲を採用していない戦後第二世代MBTすらも『即死』である。
「これも『搭載される予定だった』部材なのよね。
そしてこれが載せられるはずだった車両は2種類とも駆逐戦車。作りが簡単で低反動だから、前面装甲の裏に支持架を作ってそのまま載せるというだけ。ゲルリッヒのような問題は起きない。
完成が遅すぎたから知らなかっただけで、ある意味盲点だったわ」
「PAWだけじゃないよ。BT-5や7も主砲を換えた。40mmに」
継続があちこちからかき集めた、足が速いだけのBT戦車たち。
だが、その主砲は45mmM1937ではなく、別名「2ポンド砲」
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