第15話 未成戦車のコンバット・プルーフ
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の角谷が、この姉妹の後ろ盾をやることもあるというつもりで、これから政治を修行しなければならなそうだ。
「でも単に長射程の自走臼砲が必要なら、うちには一切ルールに違反しないのがあったのにね。
そう言ってくれればお母様も無駄な出費はしなくてよかったのに。
結局一番お金をスッたのは島田の家ってことね。
唯一の戦利品のウルトラレアボコも、結局あなたにあげてしまった」
普段の無表情ながら肩をすくめて愛里寿はみほを見る。
みほは完全に怒った顔だ。愛里寿ではなく大人たちに。
なるほど、ここにいる人間すべてで逆襲をかけて、せめて手足になった下北タンクディストリビューションぐらいには痛い目を見てもらうか。と表情に出さず考える愛里寿は、もうひとり気になる人物の顔を見る。
いまでは『もとダージリン』というべき女生徒は、シンボルである髪型をほどいて、緩いウエーブのセミロングにしている。
だいたいなぜ彼女がここにいるのだろう。おそらく愛里寿自身と同じだろう。
乙女のたしなみという金看板の裏側で行われる低レベルの争いにうんざりしているに違いない。
ならば、と愛里寿は考える。今だけは同盟者に加えてもいいだろう。未来はどうなるかわからないが、母も含めた家元連中のような子供じみた勢力争いはしたくない。
やるならもっと自分の精神が高揚するような戦いにしたいものだ。
そんなことを見かけだけは中学二年生の大学戦車道第一人者は考えている。そろそろ、中二病を発症する時期でもあるし、背伸びがしたいのだ。してもまったく無意味だが。
そして元・ダージリンがお決まりのセリフをつぶやく。
「……こんな話をご存じ?」
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