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大洗女子 第64回全国大会に出場せず
第13話 聖グロリアーナの選択
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対外試合もできず、いずれ終焉する大洗女子戦車道。
 そんな結末が待っているだけだ。

「もう、どうすればいいのかわからない!」

 優花里は、誰もいない海に向かって大声で叫び、そしてすすり泣いた。

『奇跡にお金は出せない。奇跡はお金では買えない』

 連盟係員のセリフがまた蘇る。
 自分たちの勝利は「まぐれ」ですらなく「奇跡」だというのか。
 西住家元は「戦車道にまぐれなし。あるのは実力のみ」と断言した。
 ならば強大な敵には「奇跡」がなければ勝てないと言うのか。
 優花里は、そんなことは決して認めたくなかった……
 だからダージリンは、こんな時期にこんな非公開の交流戦などやったのではないか。
 聖グロリアーナの「変革」、強力なOG会を説き伏せての戦車入れ替え。
 それは別に大洗の優勝がもたらしたものではない。
 戦車のラインナップで黒森峰に大差をつけられたからだ。
 戦車道強豪校では、そんなこともまかり通るのだ。
 もちろん彼女たちばかりではないだろう。試合に出場できる台数が決まっている以上、戦車の質が「物量」だ。ならばサンダースもプラウダも戦車の更新をするだろう。
「四強皆弱」にしなければ「一強皆弱」という事態になって、のこり三校は戦車道を続ける意義を失う。幸いなことに「1945年8月15日」という天井はある。軍拡競争にはならないだろう。
 四強とそれ以外の差が超えられないものになるだけだ。
 まして、超弱小の大洗が認められるためには、やはりTasをものにするしかない。
 こうして、優花里はどんどん、思考の袋小路にはまっていく。
 だから少し離れたところから、安斎と西が彼女を見ていることさえ気がつかなかった。

「ありゃもう、ソースが煮詰まりすぎて全部焦げてしまったねえ。パスタを入れる前に」
「おこげの塩おにぎりなら、美味しいんですけどね」



 ちょうど優花里が大洗艦のキャットウォーク公園で焦げていたころ、ひとり「74」にてアイスを食べていたでみほに電話がかかってきた。
 スマホの画面に表示されている相手は、姉のまほだった。

「お姉ちゃん?」
『みほ、あいつに頼んだ交流戦だが、援護射撃にはなったか?』
「ああ、そうだったのね……。
 ……うん、ダージリンさんはきちんとやってくれた。
 でも、優花里さんには何が問題なのか、まだわかってないみたい」
『別にベテラン選手でなくとも、マニアならいいかげん気がつきそうなものだが』
「うーん。史実ではレアケースに近いもんね。
 優花里さんも冷静なら、訳ありの上にひも付きだって気がつくんだろうけど」
『大洗戦車道を救いたいから、ワラであっても丸太と信じたいわけだな』
「そう、それ」

 そこまで話して、みほは姉の電話から車
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