第13話 聖グロリアーナの選択
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ァーもどきが反対側から山を登りつつあり。
角度が悪く、撃破できる可能性は五分五分です」
ルクリリから見るとあんこうとカメは「飯時の角度」に入ってしまっている。
しかし放置しておけば、山頂で鉢合わせしかねない。
「ルクリリ、牽制射撃をしてください。
榴弾で彼女たちの前方1mを撃ち続けなさい」
『了解しました』
ルクリリのクロムウエルが、射撃を再開した。
あんこうとカメは前方視界を榴弾の巻き上げる火山灰でさえぎられ、身動きがとれない。
『カバよりあんこう。この距離では命中が期待できない。前進してよろしいか』
「だめです。敵の射撃精度が上がってそちらがもちません。
むしろゆっくり櫛形山のふもとまで後退してください。山を取ればあるいは……」
あるいは、……全滅までの時間を延ばし、戦果も出せるかもしれない。
さすがにみほも「腕と戦術」でも負けたことを認めざるを得なかった。
元・ダージリンはみほにとってやはり「天敵」だった。
そして、みほは作戦を達成することができなかった。
「西住殿! クロムウエルの射撃が止まりました」
みほはキューポラのペリスコープから前を見る。
徐々に砂煙が消え、何かが見えたと思った瞬間、目に強い閃光を感じた……
華は狙いも定まらない中、とっさに射撃。
同時に、今までで最大の衝撃が、W号を襲った。
……元・ダージリンたちが先に山頂にたどり着き、あんこうとカメは17ポンドをもろに食らったのだった。
結局、みほの作戦は失敗した。
敵の展開速度が速い上、これまでと射程がちがうので短距離の移動で戦闘態勢に入られてしまう。そしてパンターの70口径75mmと同等の高精度長距離砲で精密十字砲火をくらった大洗女子の二線級は、ろくに応戦することもできず壊滅した。
あんこうだけはダージリンのA41Aに一発食らわせてやったが、撃破に至らなかった。
華の撃った砲弾は、砲塔前面の120mm装甲にはじかれてしまった……。
「西住殿! 抗議しましょう。
いくらセンチュリオンでもMk.Uなんて……」
いきりたつ優花里に、みほはタブレットを示した。
「島田愛里寿さんが大洗動乱でA41仕様のプロトタイプセンチュリオンを使ったことで、西住宗家が疑義を唱えたの。そこでその周辺時期に計画された戦車すべてが再精査された結果がこれなの」
その連盟サイトの使用戦車関係トピックには、従前では違反と思われていたセンチュリオンMk.Uが「設計完了、試作着手」に該当するとして、Mk.3化改修後のものも元の仕様に再改修されればよいこととされ、同じくMk.TもA41仕様にダウングレードしたものを規則適合と
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