第12話 ルクリリの勝利
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ビューさせたという戦車ね。黒森峰が見た……』
「キャプテン、敵発砲! 当たります」
「やっぱりすばやいね。でもシャーマン75mm並みのが当たってもこいつなら……」
「ええ、当たっても大丈夫なんてアンツィオ以来ですね」
「練習以外で落ち着いて狙えるなんて、初めてです」
「命中します。ショックに備えてください」
「よし、あけび。構わず落ち着いて狙え」
敵弾はハルダウン中で砲塔しか見えないはずの『新・アヒルさん』の、その砲塔に命中した。
割れ鐘のような音が車内に響き渡る。
「よし、撃……
……なんだ?」
「照明消えます」
「エンジン停止!」
「発射ペダル、動きません!!」
「機能ロックだと!? まさか、今のが有効?」
信じられない思いでハッチを開けて顔を出した磯辺の目に、無情に翻る白旗が映る。
「どういうことだ? パンターより堅いんだぞ、こいつは!」
『アヒルさんチーム、撃破されました! 申し訳ありません!』
「……」
優花里は無線を聞いて呆然としている。
アヒルさんチームに託したのは、大洗女子戦車道の今後を担うはずの期待の新戦力。
44MTas重戦車……。
搭乗するのは超旧式戦車「八九式中戦車」で全国大会を戦い抜いた「奇跡の」アヒル。
それがなぜ格下の敵、足が速いだけのクロムウエルなどに撃破されたのか。
「なぜ、なぜこんなことに!」
そう叫ぶ秋山のかたわらには、なぜか沈痛な面持ちの西住みほがいた。
そしてたぶん、これだけでは終わらない。
『レオポンよりあんこう、後から敵です! 4両接近中』
三原山の火口のなかよりも恐ろしい『地獄』が、これから始まろうとしていた。
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