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大洗女子 第64回全国大会に出場せず
第12話 ルクリリの勝利
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 車内の優花里からは、毎度のことだがキューポラから上半身を出しているみほの顔は見えない。今日はそのことに感謝するみほだった。
 そして、「試合」は始まった。





『ルクリリ車、予定地点まで進出しました』
「よろしい、これより本隊は三原火口、内輪山の外側を反時計回りに進撃し、大洗女子の後背を取る。そちらの状況はどう?」
『三原新山方面から砂けむりがあがっています。これより白石山の山影で待機します』
「了解したわ。あなたは敵のスカウトが出たら、それを追いなさい。
 今回は向こうの十八番を使わせてもらいました。
 大洗の戦闘序列も搭乗割りもわかってますわね?」
『はい、……楽しみです』

 通信は切れた。あとは計画通り進めるだけと元・ダージリンは隊長車の中で考えている。
 大洗女子の伝説に幕を引きに行くのは実は不本意だが、あの西住まほが頭を下げて頼んできたのであればしかたがない。
 いま乗っている戦車はムカデ足ではないが、高速走行での地形追従性能はクリスティーやトーションバーにも劣らない。
 まさか大洗は「鈍足の聖グロ」が自分たち以上に速い戦場展開をするなどと思っていないだろう。二人をのぞいて……。
 その二人も、GI6部長の「グリーン」本人が風紀委員になりすまして潜入していたことまでは知らない。

 やはり、彼女は煮ても焼いても食えない人物に磨きがかかっているようだ。

「まあ、シェイクダウンにちょうどいい相手がいたと思うことにするわ……」



『レオポン、予定地点に現着』
『アヒル、あとは自力でいけそうです。ワイヤーをリリースします』
「了解、カメさん、ウサギさん、カバさん、ワイヤーを回収して」
『了解』
『了解しました』
『了解した』

 もし双子エンジンが上手く機能していたら、『新・アヒルさん』でもレオポン程度の速度になっていただろうが、ナカジマたちの努力にかかわらず、『新・アヒルさん』の機動力はイギリスの歩兵戦車程度にしかならなかった。
 そのため、決勝戦で高地陣地にレオポンを引き上げたときと同じ「ワイヤレッカー」で『新・アヒルさん』を引っ張る必要があり、全体の進撃速度が遅れた。

「もう予定を20分超過している」

 みほは、いつものとおりにはいかないと予想はしていたが、せめて10分ぐらいと考えていた。その10分差が今回は決定的になる。

『レームダック、西です。これよりさらに前に出て偵察に出ます』
「気をつけてください。敵のスカウトも近くにいるかも知れないです。
 またあのクルセイダーがいるかもしれない」
『了解、また出たら頼んますっ!』


 知波単の西が率いる「レームダックさん」は、やっぱり手慣れた走りで前へすすむ。
 車内では西がハッチから
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