第11話 笑う角谷
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ことを勝敗より優先してるってね。
逆に言えばあんたのところと大洗以外、みんな外国かぶれってことじゃない。
そして、だからこそあんたの学校は高名な選手や優秀な機甲科隊員を輩出してる。
紙装甲の戦車でティーガーやらチャーチルやらが相手でも臆せず突っ込んでくる。
そういう断じて士気崩壊に陥らない、天井知らずの士気の持ち主が最新鋭の戦車に乗ったらどうなるかね? もはや最強だよ。
それに知波単は大洗動乱以来、どれだけしぶとく戦うかを考える集団に変貌した。
これからも選手育成という点では、知波単はこの国の中核であり続けるだろうね」
それなら安斎自身もイタリアかぶれということなのかもしれないが、本来はイタリア人も向こう見ずだ。第二次大戦のイタリア軍をヘタリア軍にしたのは、男の方のドゥーチェとイタリア最後の国王だ。アンツィオ気質が本来のイタリア人だろう。むろんアンツィオにとっては知波単は似たもの同士だ。くさす理由などない。
安斎が本当に言いたいのは、向こうには国産戦車のみのチームはないと言うことだ。
当然日本にも、ハンガリーとの提携校はない。ポーランド(ボンプル)、チェコ(グレゴール)、ベルギー(ワッフル)、カナダ(メイプル)、ルーマニア(伯爵)、ノルウェー(ヴァイキング水産)、スウェーデン(ビゲン)、フィンランド(継続)、スペイン(青師団)、オーストラリア(コアラの森)、ブルガリア(ヨーグルト)、スイス(中立)の提携校がある。フランスに至っては2校(マジノ&BC自由)もある。あとは米英独ソ伊と独立校が2つ。しかし、ハンガリーはない。国産戦車を有する国であるにもかかわらず。
戦車道においては日本とハンガリーは、似たもの同士なのだ。
「ではこれから私が指導者研修会でお姉ちゃ……、いえ西住まほ選手から聞いたことと、継続高校の隊長からきたメールについてお話しします」
正直に言えば、まほの話もミカの提案も、いまの優花里にはとうてい聞かせられないことばかりなのだ。
心の中で優花里に詫びながら、みほたちは密談を続けた。
大洗町教委から示された、補助金申請の目安である3月20日まで2週間を切ったある日。
2隻の学園艦が、伊豆大島の沖合でスラスターを回しながら停泊していた。
大島には学園艦が寄港できる埠頭はない。
2隻の学園艦にはそれぞれフェリーが横付けし、大型学園艦からは5両の、それより小さい方からは縄文土器以外の9両の戦車が乗りこんでいく。いくらなんでも偉大なる戦車の始祖を第二次大戦相当の戦場に引きずり出したら、「イギリスかぶれ」の聖グロリアーナ全員が怒る。
こうして都合3回目となる聖グロリアーナ対大洗女子の交流戦が、大島の中央、三原山カルデラ火口原を舞台として行われることとな
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