第9話 新戦車運用開始
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バキアやスウェーデンとは比較になどならないレベルだ。もっとも自動車だけ考えてみれば、イタリアは性能ではドイツ車と昔からタメを張っている。DOHCといえばアルファ・ロメオという時代もあったし、いまでこそジャパニーズスタイルとされるDOHC16バルブ並列4気筒バイクも、本家はイタリアのMVアグスタだ。
なにはともあれ、トーションバーは構造的には単純だが、精密な加工技術と高度な冶金技術を必要とするサスペンションだ。
「可能性としては構造的にトーションバーにしたりクリスティにしたりといったことは無理だから、外付けのサスペンション、たとえばイギリスのセンチュリオンのホルストマンとかポルシェティーガーの『縦置き』トーションバーぐらいしかないけど、トップクラスの技術者に構造解析からやってもらわないと、走ってるうちにもげるかもしれない」
特に「縦置き」は、サスペンションバーの寿命が短い。
自分たちがいまでも苦労しているのだから、やっぱりやりたくない。
3両なんてとんでもない。ナカジマにとっては考えるだけで頭が痛くなる悪夢でしかない。
「結局できることといえば、キャブ同士の同調を取ることで2基のエンジンが少しでもスムーズに回るようにすることと、板ばねの材質を変えることぐらいだろう。
それでも、期待しないでくれとしかいいようがない」
「はい……」
そういいながらも優花里は、そうであるなら機動戦は捨ててもいいと思っていた。
なにしろこの戦車は前面装甲傾斜120mm、主砲は75mmL70という一流品なのだ。
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